シェフの戯言 黒いページ

リストランテ・ロアジのまわりで起きた様々な出来事を少し辛口につづってみました。

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ポレンタなど・・・・。

年下の友人がお友達と食事に来てくれた。
フランス語堪能のなかなかナイスなガイである。

メインは魚介料理と言う事で
ガンべり アル フォルノ(海老のオーブン焼き)のポレンタ添え。
ポレンタは、イタリア版のコーンミールです。
たまに食べると本当に美味しい!
できたての熱々にアンチョビー風味のトマトソースをたらして
食べると 安くても美味しい物のかなり上位に来そうな感じがします。


昔、イタリアで働いていた時10日に一度は賄いで出てきて
最初の日はできたてを、いただいて。
次の日はグリルしたものをいただいて。
最後は揚げた物をいただく。
その頃にはうんざりして 大抵見たくもなくなるのですが。


フランスにいる頃は似た様なもので、ランティーユ(レンズ豆)とか
ポンム ピューレ(マッシュポテト)などがあります。
サイドメニューのポンム・フリット(揚げ芋)は大抵その日に奪い合いで残りませんでした。
これらの、共通した副食の特徴は大抵皿から はみ出すように
センスも何にも無く コテコテのてんこ盛りにしてあります・・・・。



賄いの時間になりテーブルに着くと 既に芋だの。豆だのが
うず高く盛られている。
みんなはニヤニヤしながら、私がテーブルに着くのを見ている。
皿に取った物は残せない(当たり前の話ではありますが)店でしたので
あきらかにこれは、日本人虐めです。
何とか食べると、隙を見てまた入れられます。
ある日 頭に来て、一度皿を見ている前で
テーブルにぶちまけてやったら、二度とされなくなりました。

今考えても、恥ずかしい事です。
メインのサイドメニューを食べると
いまでも、恥ずかしい思い出がフラッシュバックします。


サイドメニューではありませんが、パエリアもきつい思い出です。
シャルトルのレストランは、鴨料理がスペシャルメニューに5品も
あるくらい、有名なんですが
鴨を掃除すると、首の部分の皮と骨が出ます。
(さすがに頭は捨てていましたが)
皮と首は無造作にブリキのバケツに放り込まれてストックされます。
1週間から10日で、バケツ3ばいぐらいになります。

すると、店のご主人今夜はパエリアだと叫びます。
その日の早上がりの 見習いが下ごしらえはして帰りますが・・・。
10日前の鴨の皮と首は殆ど食べ物の様子は呈していません。
1度水で煮出してから、流水でさらして小さく刻みますが
発酵臭というより あきらかに腐敗臭しかしません。

賄いのパエリアですから、もちろんサフランなんぞが入って
いる訳も無くサラダオイルで玉葱を炒めて
インディカ米を山ほど入れて、さらにご飯が見えないぐらい
鴨の屑身で全体を覆いつくす、手の込みよう さすがです。
あたり一面に漂う、地獄の香りまさかこれを食べろと言うのか?


一口食ってそのままトイレに行ってリバースしました。
次からはご飯だけしか食べませんでした。
そのパエリアは私が勤めた1年で12回以上出てきました
あんな、賄を従業員に食わして平気なご主人と言うと


「私にはフィレ肉を焼いてくれ」と言われたので焼きました。


私は若く貧しかった。
  1. 2008/06/13(金) 18:37:17|
  2. 食材
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とりあえず、今好きな物

よく食べる物は何がお好きですか?と、聞かれる。
ご自宅では何を召し上がっているのですかとも、聞かれます。
さぞや皆さん、私が自宅では贅沢三昧、
飽食の限りを尽くしているとお考えでしょうけど・・・・。

食べる物で、特にこれが好きなんて物は無いんです。
好きな食べ物を、言わないつもりなら「殺す」と言われれば
田舎(両親が住む宮崎)に帰省した時、
必ず母が用意してくれている だご汁と舞寿司ぐらいでしょうか?
これとて、私が作った方がかなり美味しいとは思いますが
幼い頃から刷り込まれた味で、今の餓鬼共が弁当屋の
弁当が美味しいと信じているのと 同じです。
無条件に美味しいと思いますから・・・・。
この、一件だけでも母には長生きをしていただき
馬鹿息子に、手品のように料理を作り続けていただきたい。


さて、嫌いなものはと問われれば
迷わず、沢庵の古漬.
これが大好きで 毎日の食卓に乗せる女性なら、迷わず別れます。
と言うぐらいに嫌いです。
これには、もちろん嫌いになった深いわけがあるのですが。



がしかし・・・・。後は何でも食べます。
ベトナムフレンチのガールフレンドが、食べれないだろうと
差し出した「チュービットロ」(孵る直前のアヒルの卵を茹でた物、フィリッピンではバロット)半分雛だし 半分卵だしそれに安物の死にたくなりそうな臭いニョクマムをかけて食べろ言われた時は
やられたーと思いましたがちゃんと食べれました。

イタリアでこれもいたずらで出された、蛆虫の湧いたチーズは
美味しいと思いました。
世界一臭いと言われた、ベルギーのリンバーガーチーズもなんのその
琵琶湖のフナ寿司も、伊豆大島のくさやも美味しく食べれました

アラブ人の友達の結婚式に行き、特別だと言ってわざわざ
勿体つけて出してくれた(普通のお肉で十分なんですが)
羊の頭の丸焼きも頭を割って 当時はスクレイビーの事も知らず
脳味噌美味しくいただきました。
(尚アラブの結婚式では、男性と女性は別々に食事をします。)
中でも最大の難関は、シュールストレミング
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
さすがにこれは、死ぬかと思って鼻をつまんで食べましたが
そのしょっぱい事(匂いはもっとすごいけど)・・・・・。

変わった所では、桜毛虫の唐揚、蜂の子などもありました
(意外と美味しかった事を、告白しておきます)


以上のものは、お金を払って食べるかと訊ねられればノンですが
まあ一応食べられました。



料理を作っていて好きな食べ物も無いのかと呆れてしまう方も
いらっしゃいますが、私は季節季節の旬の食べ物を
慎ましやかに頂けたらそれで幸せなだけです。


だから、季節を問わず鮪のトロに血眼になっている方。
痛風を気にしながら、フォワグラとキャビアは止められないと食べ続ける方。
お肉は黒毛和牛の5等級のAランクじゃないと私は食べないと言う方。
お金は私などよりはるかにお持ちなんでしょうが、ふとお気の毒になったりします。

いみじくも、ブリア・サヴァランは
「何を食べているか言ってご覧、君がどんな人間か当ててあげるから」
と言っている事ですし。


先ほどから自己矛盾したことを、書き散らかしています。
今日も、お嬢様の誕生日 3名で5万円近く、お支払いになられた
お客様がいらっしゃいましたが 記念日、何かのお祝い
そんな人生の数少ない喜ばしい日に、一緒にテーブルを
囲んで美味しい物を食べよう!
なら良いのですが、毎日必ずご馳走じゃなければ
なら無い訳ではないと思います。

昔、奈良で美味しいといわれた「茶粥」屋さんに
案内されて、ご馳走していただいた事があったが
当時の私はその、茶粥を味わうだけの 人間では無かった。
まず、肉でも無ければ魚でも無いことに若い私は腹を立てていた。
単に若者は消化吸収の早くて、味のわかりやすい
動物性たんぱく質が好きなだけでしたが・・・・。

今、また訪ねて茶粥を一杯ご馳走になれば
かなり幸せな気持ちになれるだろうし、
今なら、あの時の薄味の茶粥もとてつもなく美味しく思うでしょう。


物の味が解ったつもりでいるのと、物の味が解るのでは
まったく別のことのように、最近思います。
味がある程度解るようになってきたら人生も終焉間近と
辻 留の辻嘉一さんが仰っていたような。


さて、本題の私が「とりあえず、今好きな物」。
香菜(シャンツアイ)のたっぷり入った
ヴェトナム風のチャイ(粥)と言うか
香菜が、「君に夢中」と言うぐらい大好き。
昨日は1日中、フォーばかり食べていたし
今日は昼過ぎに1合のお米でチャイを作った。
基本私は、1日に1食しか食べませんので
(味見を1日中していると、カロリーは1食分以上ですから)
明日も、ヴェトナム風お粥を食べる事になりそうです。


もうすぐ、夏が来る
憧れの宮崎名物『冷汁』の夏が・・・・。
もちろん、『冷汁』も大好きです。
  1. 2008/06/04(水) 02:08:02|
  2. 食材
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食の安全保障

明日、食料の輸出規制をされたらどうしますか?
町中のスーパーから日に日に食材が消えていったらどうしますか?

来てもらっても困るけど そんな近未来をシュミレーションすると
あなたは、どうなりますか?

私の場合
1.現状のライフライン(水、ガス、電気)は確保されていると仮定して。

まず、お米は約20kgあるし、小麦粉も一袋(20kg)仕入れたばかり
なので主食は倹約して約2ヶ月は大丈夫かな?
副食は、スモークした鶏、ベーコンが約5kg、調理済みの牛頬肉のラグー
が5kg、仔羊1.5kg、鴨ロース3枚、仔牛カツレツ用10枚、
帆立貝柱1.5kg、スモークサーモン800g、etc・・・・。
けっこう、膨大な量の食材があります。
何だかジュール・ベルヌの二年間のバカンス(15少年漂流記)を思い出します。



でも自分ひとりで、私の店の食材の備蓄で
エゴイスティックに生き延びるとして4ヶ月が限度。


お酒は?2ヶ月持てば良いかな?悲しいけど・・・。
最後にはDRCのモンラッシェ(市場価格60万円)を飲む事にします。

もちろん、私を頼りにしてくれる、もしくは嫌と言えない
性格に付け込んで「食い物よこせ」。と言って来る輩の
事も考えると益々生存日数は短くなる。

2.現状のライフラインまでもが寸断されたと仮定すると。

まず、水。製氷機の氷を全て鍋に入れて溶かす溶かした後一度
火を入れて殺菌して保存が利くようにする、総量は50kgつまり50L。
成人男性の1日の必要な水の量は1-1.5Lなので
飲料水のみとして1-1.5ヶ月、煮炊きに使えば1ヶ月、
皿はイベント用の紙皿を使用して、洗い物を無くして水は使わない。
飲料用の水はそれで当座間に合わせる。後は雨降りを待つ。


冷凍庫&冷蔵庫の中の膨大な食料品の備蓄も
電気が無ければ、腐るだけ。
燻製、塩漬け、オイル漬け、醤油漬け、ありとあらゆる方法で
とりあえずは保存食にする。
デザートの山は食べれるだけ食べて、腐り始めたら
あきらめて、廃棄処分。あーあもったいない。


煮炊きの燃料ですが、5年前に間違ってキャンプ用に最上級の備長炭を
100kg近く買ってあるのでそれを使用する。
これからの季節、暖房には燃料は必要ないので、
七輪で煮炊きをすると、炭は少量で済みますから
1日2食として、1日の使用高800g約100日、約3ヶ月・・・・。


こうやって考えるとどうあがいても、3ヵ月後には
飢餓が始まるということですね。
両親のいる、宮崎なら食料自給率も全国でもトップクラスなので
もう少し長いかな?

でも、有名な宮崎の鶏、豚、牛の飼料は輸入品だから結局は同じか?
身内が何人か水産業をしているので、
本来の 「南国育ちの魚食い人種」に戻るとしても
昔みたいに近海で、魚がうじゃうじゃ獲れるわけで無し
ヤンバル船じゃ無理だから、やっぱりディーゼルエンジンの船だと
重油が大量にいるし。


どう転んでも、我々の前途には明るい未来はなさそうです。
今からでも遅くないから休耕田を大切にしましょう。


でも、ある日空が「ピカッ」と光ったら
一切合財、地球上の表面全てを破壊できるだけの
恐ろしい武器を人類は既に手に入れているのに
今さら、私は何を心配しているのでしょう?
  1. 2008/04/25(金) 11:28:58|
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味わう。を総括する。

キャビア、フォワグラ、トリュフと、世に言う
世界の三大珍味とやらのお話しを、心の赴くまま書いては見たけど。

人間にとって『美味しい』。とはいったい何ぞやという話になると
皆目見当も付かない、事柄である。



何の本だったか忘れましたが、ある本の中に「幸せの条件」という段落があった。
幸せになるための、根本的な必要最低条件とは?


まず、『心も体も健康である事』。だそうである。
なるほど、これは一本取られてしまいました
全てはそこからですね。


全ての幸福は以上の2の条件を満たしてから始まる。
次に3の条件が

1・自分が必要とするだけのお金があること。

2・ライフワークがあること。

3・喜びを分かち合う家族、友人、パートナーがいる事。

それを満たした上でさらなる、8の条件が
1・美味しい物を理解して食べれる事。

2.旅が好きな事。

3.できれば、母国語以外の言葉が話せる事。

4・芸術を楽しめる事。

5・スポーツを楽しめる事。

6・社会的な活動を何かしら行なう事。

7・必要に応じてある程度の施しができること。

8・読書を楽しめる事。

心も体も健康で。
ある程度の収入があり、一生かけてやり続ける仕事をして
家族、友人、パートナーとの団欒があれば・・・・。
何もご馳走など食べなくても 何でも美味しく食べられそうな?


明日が支払期限の負債が山のようにあって、1人で、心そぞろに
どんなご馳走を食べても間違いなく美味しくは無いでしょう。


キャビア、フォワグラ、トリュフと。
解ったような事を書いてみましたが、それぞれがとても美味しいのですが
決して、絶対的な美味しさではありませんし。


あなたがキャビアなんかより、おろし大根にとんぶりを
乗せた方がおいしいと言うのなら、
フォワグラなんかより、アンキモの方が美味しいというなら、
トリュフより、松茸の方が美味しいと言うなら。

胸を張ってそう言っていただいて構いません。
「座って半畳、寝て1畳」。
健康に楽しく生活できるのは せいぜい70歳までです。
思う事を、思うようになさった方が良さそうな。
キャビア、フォワグラ、トリュフが美味しくなくても
何も不幸ではありませんから。
  1. 2008/02/12(火) 20:58:10|
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味わう。3.トリュフで静かに発情する。

また、ポルノなの?とお叱りを受けそうですが。
いよいよ、真打「高級食材の王にして、王の為の高級食材」

その名は「トリュフ」。


私が料理人の道を歩き始めて、運良くヨーロッパに流れ着き
日々、研鑽してるんだか すてきなマドモワゼルと
遊び呆けているんだか 解らない毎日でしたが・・・・。

その時は、概ね真面目に勉学にいそしんでおりました。
毎日、毎日レストランに行って 怪しいフランス語を駆使して
仕事をこなしていくわけですが。
料理を作っても、ゆっくり味わって食べると言う事は皆無であり
どうしても、食べたければ休みの日に 他所のお店を予約して
食べに行くしか 仕方がないことでした。


我々のトレーニングで集中食というのがあります。
仮に、若い女性が初めて乳脂肪40%の生クリームで作った
苺のショート・ケーキを食べたとします。
すると、もちろん大感激 世の中にこんな美味しいものがあったのかと
思うぐらいです。
(生クリームも苺もケーキも嫌いなら致し方ありませんが)
でも、短期間に色々なクリーム、苺、スポンジの生地を変えたものを
食べ続けていると 人間悲しい事にすぐに飽きてしまいます。


しかし、更に上を行く素材で作った 苺のショートはやはり
目を見張る美味しさがあります。
紛い物と、本物を見分けるためには、必ず一度はその食材を
飽きて見たくない位に食べる必要は在ると思います。


フォワグラの集中食は、ある年のヴァカンス、働いていた
「ラ・ブルゴーニュ」と言う2つ星のレストランが、
明日からバカンスなので、フォワグラが大量に余って処分に困り
「お前にやる」。とその大量のフォワグラを
朝昼晩と色々な調理法で、食べ続けた。
仕舞いには、ゲップ(失礼)までフォワグラの匂いがしてきそうでした。


キャビアの集中食は、私のボス「元警察庁長官、山本静彦大使」が
ある日、お土産に頂いたからと、
洗面器ぐらいはありそうな「ベルーガ」の大きな缶を持って帰っていらした。
初めは、お部屋の冷蔵庫に入れてちょこちょこ召し上がっていらしたが
奥様から魚卵は控えて下さい。とのお達しがあり
私に、恩賜いただいた。

さすがは、ベルーガの最高級品、まずそのまま頂き、週末に友達を8名ほど
自宅に招き、「手巻き寿司パーティ」。
罰当たりな事に「ベルーガのおろし合え」、「ベルーガ茶漬け」、までは美味しかったのですが
「ベルーガ雑炊」を作り、下のご飯が見えないぐらいキャビアをトッピングしたら
熱でキャビアに火が入り、その硬くて口当たりの悪い事
いくら美味しいからと言って、調理法を間違えれば
こうなると言う高い授業料でした。


こうやって、私の野望の集中食の夢は達成されてきたのですが。
(ある意味、美味しい物を飽きるまで食べると言う事はとても不幸な事です。)
「トリュフ」だけがまだないのです。
近い事は何度かありましたが、「もうトリュフなんか見たくもネエ」。
などということはありません。


トリュフには2種類あります。黒トリュフと白トリュフです。
黒ならフランスはぺリゴール産、白ならピエモンテのアルバ産が
名声を二分しています。
黒は食卓の黒いダイヤと呼ばれ、加熱する事で本来の真価を発揮します。
白はノーブルな香りが珍重され基本的に薄く削って生食します。
白トリュフは黒の価格の2-3倍はします。
黒で年にも寄りますが100g3-4万円ぐらいでしょうか?
レストランは更にそれを1g1000円ー2000円で売っています。
高いと思われるでしょうが、もし誰も食べてくれなかったら
全て廃棄処分、賄い行きは確実なのでしかたありません。


昨年末、マカオの慈善オークションに出品された、1.5kgの世界最大の
白トリュフは 最終落札価格が1900万円でした。
つまり、1gが約12666円です。


美味しい黒トリュフの思い出は、パリのフォージュロンというレストラン
「半熟卵の黒トリュフのピューレ添え」です。
卵を3分ほど茹でて、特殊なはさみで上部を切り、半熟の白身は
くりぬく、白身の部分にトリュフのピユーレをたっぷり詰めて
澄ましバターで揚げた、ブリオッシュという美味しいパンが
スプーン代わりに添えられます。


はっきり言って、私にとってその時までは別にトリュフは
物好きのお金持ちが訳が解らずに食べる物でした。
半熟の卵黄とトリュフをかき混ぜてブリオッシュですくって食べる美味しさ????。
今まで食べていた物は、一体なんだったのか?


白トリュフの思い出は、フィレンツェはエノテーカ・ピンキオーリ
(東京にも支店がございますが、ぜひフィレンツェまでお出かけ下さい。)
の白トリュフのリゾットを上げたい所ですが、
あるイタリア人のシェフの思い出がありますので、そちらのお話しを。


5年ほど前にピエモンテ料理の講習会を福岡で開催した。
その時通訳と助手でぜひ参加して下さいとの、依頼でしたので
喜んで参加しました。
怪しいイタリア語の通訳?と思いになるでしょうが
イタリア、フランスの国境地域では、普通2カ国語が話されます。
だから、フランス語で問題はまったくなし。
シェフのエンリコさんも、ペラペラでしたし
相棒の香ちゃんが、正通訳としてイタリア語のアシストもばっちりでした。


前日から会場の福岡専門調理師学校に入り、本当に楽しい仕込み。
遊んでばかりで これでいいのか?と思いました。
お昼になって、「Yamada 3人でこれを食べよう」。と言って
バックの中から出してきたのは、子供のこぶし大の白トリュフ。
???。あまりの事に一瞬何を言われているのか解らず。
「セ・ポワブレ」?(そいつは嘘だ!)と言ってしまいました。


作り方は簡単、3人前でお米は1cup、玉葱をみじんに切り
バターで炒めて、お米を洗わず投入 更に炒めて別鍋で沸かしておいた
熱々のブイヨンをひたひたになるまで入れて、弱火でじっくり20分
ブイヨンはなくなり次第継ぎ足す事!。


仕上げにバター大匙1、パルミジャーノたっぷり、オリーブオイルを加えたら、初めて良くかき混ぜる。
塩、コショーで味を調えたら皿に盛り・・・・。
ここからが、重要なところ。
専用のかんな(トリュフギッターと言います)でお米が見えなくなるまで
白トリュフを薄く大量に削ります。
思わず恍惚となる香りが当たり一面に 広がり
白トリュフはこうでなくっちゃと 唸りたくなります。



楽しい講習会も大成功に終わり、エンリコシェフにも
とても愛されてしまい、「イタリアにきたら必ず寄る様に
1週間でも2週間でも好きなだけ、居て構わないから」と
外交辞令ではなく、本気で言って頂いて。
「次はアオスタで、会おう」!と下らない親父ギャグで別れたのに一昨年ご病気で亡くなられてしまった。


トリュフを採取する時は、今は訓練を受けたワンちゃんが活躍していますが、
少し前まではメスの豚ちゃん達が活躍していました。
なぜ、メスなのか?実は豚のフェロモンとトリュフの香りは
同じ成分です。
「彼女はフェロモンムンムンだ」!などと申しますが
鳥類、哺乳類等 我々高等動物は基本的にフェロモンを出すのは牡の方です。
(なぜ、我々が高等動物と呼ばれるのか理解に苦しむけど?)
メスの豚ちゃん達はその催淫物質に、引きつけられて
トリュフのありかを見つけるわけですが
大好物のトリュフを見つけても、彼女達は食べる事はできません。
お礼に幾ばくかのどんぐりを、もらいます。
豚は神経質な故に訓練ができず、悪路では登りも降りもできず
現在のワンちゃんの出番になったそうです。

ワンちゃん達はトリュフを見つけても間違っても食べませんから。


ブリア・サヴァランはその著書「味覚の生理学」邦題「美味礼賛」。で
ご婦人方に食事の時トリュフを勧めると、トリュフには催淫作用があり、発情を促す。
とお書きになっておりますが。




最後に最近中国及びチベット辺りから、中国産トリュフの
名前で安価(それでも1kg1万円)な紛い物が入荷していますが

昔のランプフィッシュの偽者キャビアと同じで
決してトリュフなどと呼べるものではありませんので。


松茸と同じでトリュフも香りを楽しむ物です。
黒トリュフは今が最盛期です。
今宵静かに発情してみますか?
  1. 2008/02/08(金) 18:50:51|
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