「男が熱中できるのは、遊びと危険だけである」。ニーチェ
お盆が過ぎてしばらくしてから、白い服を着て山に行き樹液を出している
クヌギの木に登る。
カブトムシだのクワガタムシだのは
もうあまり居ないが、樹液にスズメバチが 集まっている。
静かに細心の注意を払いスズメバチに近づき
予め調達しておいた、殿様蛙の脚やコオロギの新しい
死骸を目の前にそっと置いてやる。
すると、スズメバチ君なんの苦労もせずに転がり込んできた
ご馳走に夢中になる。
どれくらい 夢中かというと体に30cmぐらいの紙縒りの着いた白い糸を
結び付けられても、気が付かないぐらいに夢中です。
私のことなど 一切気にせず大きなあごでバリバリ噛んでいます。
これで最大の危険はクリヤーする。
木から落ちる危険と
自分の不注意から、いたずらに蜂を刺激してしまって刺される危険
そろそろと木から下りて自転車で待機する。
やがて、かわいい妹達に食事を与えようと
健気な姉は 餌を巣に運びます。
そっちに飛んだぞーと仲間に(大抵は、ぱしりの下級生でした)大声で合図をすると、自転車でひたすら大追跡。
蜂は最短距離を三次元的に つまり直線で自分の巣に帰りますが
我々は基本、道の上を二次元的にしか移動できません。
目前には、山あり谷あり田んぼのクリークあり、まるで障害物競走です。
白い紙縒りも1度目は見失ってしまいます。
1回目は大体の方向を、理解します。
しばらくすると、働き者のお姉さんは先ほどの
獲物のところに帰ってきますから
今度は二度目、部隊は前進しています。
こうして、スズメバチの巣の位置を探していきます。
藪の中での捜索ですが、うっかり危険なデッドゾーンまで脚を
踏み入れると 羽音と不気味な『カチカチ』音が聞こえてきます。
目の前には、既に戦闘態勢に入ったスズメバチの姉さん達が
ホバリングをしながら待ち構えています。
『カチカチ』音はこれ以上近づいたら、襲いますよという警戒音です。
いかに、恐ろしいスズメバチでも毒針を使えるのは
一生に一度だけですから、使わないに越した事はありません。
ぱしりのチビッ子達がパニックを起こして
一目散に走って逃げたらアウトです。
走らずに、音を立てずにするする後ろに後退します。
初めに白い服と言ったのは、この時黒い服を着ていると
ほぼ、100%刺されるからです。
里に逃げ帰り子供達のスリリングな、蜂捕りの遊びはここまで
後は、蜂捕りのおじさんに蜂の巣の位置の情報を売って
当時で500円だかの、お小遣いをもらってお仕舞い。
養蜂家にとってスズメバチは天敵です。
スズメバチを駆逐できる、日本ミツバチは蜂蜜は少ししか取れませんのでどうしても西洋ミツバチになります。
哀れな、スズメバチを駆除してしまうのが、生態系にどう影響するのか
解りませんが、うっかり刺されて死ぬよりは良いのかも
それに蜂の子のバター炒めは、本当に美味しいですよ。
(結局食べる事かよ)
なぜか、私ににはいつもがちゃバエ(小さい子供)が
ついてくるなといっても2−3匹はゴチャゴチャくっ付いていたので
手下の分け前として、50円のアイスクリームを買ってやると
いくらも残らなかった。
今考えると、不思議な事に6年生から、1年生までいっしょに連れ立って
遊び呆けていました。
今の子供達は、同学年がファミコンを持って友達の家に行き
おとなしく黙って対戦ゲームをしていますが
私が子供の頃は毎日、傷だらけの泥だらけでしたが 年下は年上に服従するし
年上は年下を保護していました。
昔も今のように、いじめはあったと思いますが
いわれの無い、虐待は年上の生徒がきっちり仕返しを
(いつも喧嘩をしていますから、どれくらいの力で
人を殴ったらどうなると言う事は身をもって知っていました。
喧嘩をして育たない今の子供達が時として
行き過ぎた暴力に走るのもそこら辺に問題もあるかと思います。)
していましたから、上級生の傘の下で今よりは
安心でいられたのではないかと思います。
さて、家に帰り縁側でゴロゴロしながら蜂に紙縒りを
結びつけた事を思い出すと、身の毛もよだつ
あの時、連れまわしていたちびっ子の誰かがアナフィラキシーで
うっかり蜂に刺されていたら・・・・・。
今考えても恐いです。
でも、男が熱中する遊びは、大抵かなり危険な遊びですし
危険も時として遊びに変えてしまいますが。
男が熱中できるのは、遊びと危険だけである
その男に、神が与えたもっとも危険な玩具は お・ん・な。と言う説もありますが。
- 2008/06/09(月) 19:33:42|
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