シェフの戯言 黒いページ

リストランテ・ロアジのまわりで起きた様々な出来事を少し辛口につづってみました。

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世界一の朝食

何でも、湘南の方に世界一の朝食を出してくれるレストランがあるらしい。
早速、調べてみましたが
世界一の朝食にしては、何だかとってもお安くて
こんなんで良いのと思ってしまいます。

私の記憶に残る朝食。

1・伊勢海老の味噌汁
小さいころ私は病みやすく、腺病質で(事実結核でしたから)
食器やお米、味噌、醤油などが変わっただけで
もう、食事を受け付けないと言う今からは想像もできない
手の掛かる神経質な虚弱体質の背の高い男の子でした。


発酵食品が食べれなくなったのは、コレラと誤診されて
山奥の隔離病棟に入院させられてしまったからです。
誤診とすぐに解ったのですが、当時の決まりで
1週間は、要、経過観察だったらしく
幼稚園の年中の私には、限りなく恐ろしい所でした。
擬似コレラ症状を起こした時
何を食べていたのか覚えては居ませんが、発酵食品も
いっしょに食べていたのは確かです。



だから、他所で食事ができないのです。
友達の家で遅くなり、ご飯でも食べて帰りなさいとでも
お誘いを受けても、お断りするしかなく
「母がうるさいので」と人のせいにする心苦しさ・・・・。

そんな中で唯一安心して食事ができるのは、
田舎で漁師をしていた伯父の家でした。
とにかく、伯父は私のことを大変可愛がってくれて、
毎日朝取れの新鮮な魚介類でもてなしてくれた。
だから、夏休みになると母は、伯父の家に私を預けっぱなしでした。
そんな、夏のある日の夕方伯父は漁に連れて行ってくれました。
私は、特異体質なのかどんな荒れた海でも船酔いの
経験がありません。
まずは、沖合いの岩場に刺し網を仕掛けました。
それからはるか沖に出て、集魚灯を点けてイカ釣りです。
一緒に行った兄と従兄弟のお兄さんは、船べりで死んでいました。
化け(疑似餌)を付けたラインを静かに沈め
30-40cm上下させるだけです、イカはそれを餌だと勘違いして
抱きつきます、すると哀れ一巻の終わりあっという間に
船上のイカとなり、生簀にポチャンです。
その夜は、初めてなのに槍イカを14杯も釣りあげ
嬉しさで恍惚となりました。

夜の11時には一度帰宅、明日は早く起きて刺し網を上げに行くから
早く寝ろと言われて、わくわくして眠りました。
私は、何があっても8時には眠らないと、疲れて病気に触るからと
そんな遅くまで起きていた事がありませんでしたから
帰り道で歩きながら半分眠っていましたが。

次の日の朝、ゴム草履をはいて(漁師さんはなぜか靴を嫌いました
船の上ではゴム長か草履です。)港までペタペタと歩く
そうしている内に船に乗ったのは良いのですが
お手洗いに行きたくなってしまい
「お便所」?と伯父に聞くと笑いながら
「海に便所なんぞあるわけないからそこいらで済ませろ」。
と言うので 船べりから用を足すと、おしっこが海に融け
その刺激で水面の夜光虫がいっせいに発光を始めて
まるで、ウオルト・ディズニー作の「ファンタジア」でも
見ているぐらいに幻想的に美しかったのを今でも鮮明に覚えています。


昨日仕掛けておいた刺し網を上げに行くと
黎明の暗い海の底から、極彩色の海の幸が
ブダイ、かさご、カワハギ、メジナ、アイゴ(ひれに猛毒があります)
タカノハダイ、とにかく岩場のありとあらゆる魚介類が
朝日を浴びてキラキラしながら上がってきます。
その内伊勢海老が上がってきた時は、すぐに網からはずして
隠すように言われました。
朝の狂乱は1時間ほどで終わり昨夜のイカを5杯、その日の食べる分だけの獲物を残して
後はセリにかけてしまいました。


で・・・。問題の伊勢海老ですが6月から9月までは
伊勢海老は禁漁期で取ってはいけないのですが
伯父はどうしても私に食べさせたかったらしく
あえて、法を犯してくれました。


伊勢海老は生きているのを、出刃包丁でぶつ切りにして
鍋に放り込みます。
一度沸いてあくをすくったら、味噌を投入薬味は青葱だけです。
朝も早から起き出して、ペコペコになったお腹をギューッと
捕まれたぐらいに美味しかった、

どんぶりに伊勢海老をこれでもかとてんこ盛りにして、
他は味噌汁と青葱だけの、恐ろしくシンプルな味噌汁
後年南フランスで伊勢海老のビスクや ブイヤベーズなんぞを
さんざん食べましたが、それぞれがとても美味しいのですが
あの朝の伊勢海老の味噌汁にはかないませんでした。


その日の朝の献立
伊勢海老の味噌汁、カワハギの煮付け、イカの刺身、イサキのフライ
炊きたての熱々ご飯。
今でも私の記憶にまじまじと残る味わい深い朝ごはんでした。

美味しそうに食べる私を見て、伯父は本当に嬉しそうでした
その時、伯父いわく
「総理大臣でも、こんな贅沢な朝ごはんは食べていないぞ」。と
田舎暮らしの伯父にとって、日本で1番のお金持ちで
偉い人はきっと、総理大臣だったのでしょう。

ps もちろん元帝国陸軍少尉の伯父にとって、
天皇陛下はその時も「現人神」であらせられましたが。
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  1. 2008/05/25(日) 22:36:27|
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