シェフの戯言 黒いページ

リストランテ・ロアジのまわりで起きた様々な出来事を少し辛口につづってみました。

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待ち遠しいゲスト

 「25日の夜に伺いますのでよろしく」。
ロアジに年3回しか来店されないゲストがいらっしゃいます。
1回目は奥様の誕生日。2回目はご主人の誕生日。3回目は二人の結婚記念日。
天神ロアジの開業の時からだから8年間で24回、他店での浮気なし。
二人の記念日のみの来店である。
洋品店を二人でなさっているので 来店はいつも20時過ぎ、私の暇な曜日のみ、予算も料理も全てお任せ、食べたい物は事前に連絡をしてくれる。
この8年間、リクエストが無い限りまだ同じ料理を出した事がありません。「私が引退するまで同じ料理は出さずに済みそうですよ」。「それは嬉しいです」。
彼らが来ると解った時点から来店するまでの時間が楽しみです。サント・エグジェッペリの「星の王子さま」の中でプティ・プリンス(原題では小さな王子さま)が砂漠の中で狐と今度会うときの話しをしている時、急に君を訪ねてきちゃダメなのかいとたずねると、もちろん突然訪ねて来てくれても嬉しいけど、今度はいついつ会えると約束すると約束した時からおいらは嬉しくなっちゃうじゃないか、待つ間も後何日したらおめえと会えると考えただけで嬉しく待てるだろ?
確かそんな話しだった。
この話しは何度か引用しているお話しですが レストランとゲストの良い関係はこうあるべきだと思います。
ゲストはお店を選べるし、お店も当然ゲストを選んでしかるべきなのに日本では時々まったくお店側はゲストを選べない場合があります。
たかが料理人風情が偉くなったつもりはありませんが、我々も1人の人間には違いないし 初対面のゲストから横柄な態度をされると愉快ではないのも事実です。(まあ大使館にいた時、一部の心無い館員からサーヴァント[使用人]などと呼ばれた事を考えると随分ましですが。ちなみに同じ外部調達の医務官は茶色に輝く外交旅券で一等書記官の肩書きがもらえるのに、大使公邸のシェフでさえただの緑の公用旅券で何の肩書きもない 見なし公務員なんですよ、理由を聞いて驚いたがいつでも首を切れるようにだって)。
戦国末期から江戸時代に職業としての料理人は確立されたと思いますが、大名の料理人でもなければほとんどがしがない、当時のカーストで言う所の町人、最下層の(今の話ではなく当時の社会のシステムの話しをしているのであって差別の話しをしているわけではありませんので念のため)人間がやっていたし。明治のご維新の後も地方の食い詰め物が都会に集まってきて他にする事がなくやっていたのが我々先輩諸氏の仕事であり、ブルボン王朝末期の大膳頭(宮中の食事を作る役職)など全てが貴族だったのとは大違い、知性も無く教育も受けられず、「おいこら」よばわりで朝から晩にこき使われてきたので、いまだに社会的地位が低いのは良く理解していますが、もう少し丁寧にお話しになっていただけませんか。

年に1回来るか来ないかの不思議な自称常連がいる。大抵どこかで何か召し上がった後いらしゃるか 酔っ払ってベロベロとか ほとんどラストイン(その時間までに来店頂ければゆっくり食事をしていただいて構いませんよという時間ですが、翌日の1時半までいられると・・・)5分前とか そうでなければ今から飛行機の乗るから急いでと閉店時間の5時とかに来店される非常に自己中なゲスト。
来たら来たでこちらがどれだけ追われていようとメニューにもないわがまま料理、材料と精神的余裕があれば作ってあげたいが無理なものは無理、時々爆発しそうになるが本人とっても幸せそうなので何も言えなくなってしまう。
彼はどうも無理をいってごり押しをするのが常連の特権だと思っているフシがある(常連などと誰も認めていないのに)、忙しい私にまとわり付いて親しげに話すのが常連だとも思っている。
「災難は忘れた頃にやって来る」が彼が電話をしてきた時の合言葉。
実を言うと彼はお医者様なんですが携帯の登録名前は「毒ター」で入力してある。

閑話休題、
ロアジには色々なお客様がお見えになるが、できればお客様と良い関係(どんな関係かというとジャン・ギャバン主演のグランド・レストランででしたっけパリの下町でシェフをやっているやつ。とても良い映画ですよ多分DVDは無いと思いますがとても良い映画でしたよ。)はもっと構築すべきだと思う、年1回でも構いません。私がお待ちするのが待ち遠しいお客様が少しでも増えれば 幸福な日々の作り主としては皆様から頂くお代金と同じぐらい幸せな事だと思います。でもその先はぬかるんだ泥道。
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  1. 2007/07/17(火) 21:04:07|
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