シェフの戯言 黒いページ

リストランテ・ロアジのまわりで起きた様々な出来事を少し辛口につづってみました。

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道化師 3

 道化師も長々と3回目、初めにお断りしておきますが私は断じてソムリエ諸氏のことを誹謗中傷して笑い者にしているわけではありませんので。

さて最後に2人のソムリエの登場となる。
初めてヴィエンヌのレストランピラミッドに行ったのは85年の夏の
ヴァカンスの時だからもう22年も昔の事になります。
「マダム マドが元気なうちにぜひ一度行きなさい」。
レストラン ピラミッド。当時世界一と言われていたレストラン。
このレストランの事はいずれ項を改めて書きますが、今我々がやっている現代の手法はほとんどここから始まり 我々はレストラン ピラミッドの恩恵を受けている。
18世紀から続く重く複雑怪奇な?古典的料理の簡素化は 2人のマエストロ(巨匠)の手による物である。1人のマエストロの名前はオーギュスト・エスコフィエ。彼の活躍の場は殆どが外国で(フランス以外の国)ホテル王セザール・リッツと組んで立ち上げたリッツホテルはたちまちヨーロッパの王侯貴族を魅了した。彼は「王の料理人」と呼ばれた。エスコフィエはギィド・キュリニエールという1冊の画期的な料理の本を残した。 
今1人のマエストロはフェルナン・ポアン(ピラミッドのご主人)。
彼はリヨン郊外のヴィエンヌという小さな町一生を過ごしたがその小さな町のレストランには世界中からの美食家であふれていた。彼は本の1冊も残さなかったが素晴らしい弟子を数多く残した、現代フランス料理界の重鎮と呼ばれているグラン・シェフは殆どが彼の弟子又は孫弟子である。彼は「料理人の王」とよばれた。 流れを汲む我々は皆遠い弟子である。
さて前置きが長くなったがピラミッドは当時パリのタイユヴァンと並んで予約が取れない事で有名で通常半年前から予約で一杯。
私が予約を入れたときも(3ヶ月前なのに)「誠に残念ですが」との事。困り果てていると、ヴラロレーヌ(ベルギーの三ツ星)のシェフが何とかしてやるといって電話をしてくれた。しかしディナーは無理で何とかデジュネ(昼食)の予約をとってもらえた。
料理の仕事に就いた時からピラミッドで食事をするのが夢だったので当日の朝は舞い上がって嬉しくて仕方なかった。
レストランに行って初めて堅くなった。辻 静雄さんの「ヨーロッパ1等旅行」の「お金は構いませんので美味しい物を」の台詞を言った後
「ワインはどうするね」?そういって現れたのがピラミッドのソムリエ
ルイ・トマジさんだった「料理に合わせたワインを選んでください」。
「ダッコー」。(かしこまりました)といって下がっていった。
「彼が伝説のソムリエなのか、もう年は80は軽く越えているのに現場で働けるなんてとても素晴らしい」。と感心しつつ文句無く美味しい料理はまるで手品のように現れては消え・・・。
「一生に何度も無い経験」友達の言った事は嘘ではなく なぜ世界一と言われるのかおぼろげながら理解した。
ソムリエの話をまったくしないじゃないかと言われそうだが彼のセレクトしてくれたワインはとても素晴らしく、サーヴィスも影のごとくまったくじゃまにならず、こちらからお金はいくら掛かっても構いませんと伝えてあるのに私の財布の中を完全に見透かしてセレクトしてあった。
感動と料理でお腹を一杯にして、お勘定をしてもらった時サーヴィス料とは別に「皆さんに」とテーブルの上に置いた200フラン(当時のレイトで約9000円ぐらい)が何だか汚わいな物の様に思えた。

ハイレヴェルなレストランにソムリエは必要不可欠な存在でなければならないはずなのに、今の所彼らの接客を見ていると不必要としか言いようが無い店が多い。
まず「俺様はソムリエ様だ」って態度は止めた方が止めた方が良いし
やくざの金バッチと同じでそれだけで怯える客がいるのは事実だし
(大抵とんでもない目にあっているのが原因だということは考えるべき)
みなさんはプロだから詳しいのは当たり前で、客が無知だからと言って馬鹿にした態度をとるのは如何なものか?(お前にワインの事を教えてやると言う様な態度)
この店はソムリエがいるから安心じゃなくてソムリエがいるからゲストを不安?にしている店も多々ある。

道化と称して長々と書いたが、最後に今1人ソムリエに登場してもらわなければならない。
ある年の11月ガールフレンドとその年のボージョレーが飲みたいねと知り合いのソムリエのいるレストランに食事に行ったが・・・。
「ワインはヴィラージュのヌーボーを」。
「今年のはあまり薦めませんが」。
「別にそんなにたいそうな事じゃないから構わないよ」。
彼は別の高いワインを薦めたが私は断った。
それだけの事であり、それ以上でもなくそれ以下でもない。
抜栓して現れたのは彼の薦めた高いワインだった。怒り狂いたかったが私の理性は楽しい夜が台無しになるから止めとけとなだめにかかる。
「あっそ?これなんだ」「料理にボージョレーが合いませんので」(それは私が決める事なんだけど)と彼はぬかした。我々留学生は留学生スタイルといって何でもかんでも赤ワインを合わせる悪い癖があるんだぞと教えてあげたかったが馬鹿らしいのでやめた。
でも店のワインリストにはちゃんとその年ボージョレー ヌーボーがありますと盛んに宣伝しているのに・・・・。私にとってその年のボージョレーを飲むのは冬至になったから柚子湯に入るのと同じようなただの季節の通過点にしか過ぎないのに。
彼女との食事は楽しかったが、彼からされた事は不愉快だった。
(多分私に気を使っての事とは思いますが)
客に(私に)売れないようなワインをなぜ置いてあるのかね?

以上のような理由で道化師の話しを書いてみました。
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  1. 2007/07/11(水) 21:20:11|
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