シェフの戯言 黒いページ

リストランテ・ロアジのまわりで起きた様々な出来事を少し辛口につづってみました。

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師匠

今年最後のワイン会も終了。
今回は10名参加でに盛大に行なわれましたが
人数的には7の倍数の人数が良いですね。
(ワイン1本でグラス約7杯取れるため)
泡1本、白1本、赤3本 計5本のテースティング
ワインにあわせた、コース料理、デセール、コーヒー
以上で6300円は、かなりお値打ちかなと思いますが。
(経費が出れば良しの、顧客サービスのイヴェントなのです)



昨日は前菜を2種類出した後は、ポルチーニ茸とホロホロ鶏の
リゾットの予定だったのですが、業者の勘違いと連絡ミスで
食材が届かずに、急遽木の子のリゾットに変更したのですが・・・。



ゲストにお詫びをして代わりの木の子のリゾットをお出しして
やっぱり、美味しいですよと言っていただき
キッチンに来た三日月姉さんにも、味見をしてもらい
「これ、めちゃくちゃ美味しいですよ」。とのお褒めをいただいたのですが、
我々プロは自分に課せられた職業道徳と職業レベルがあるので
余人がいかに褒めようと、イメージ通りで無かった場合は
「駄目」なのであるし、逆に余人がいかに貶そうと
イメージ通りのものなら、以って瞑すべしなのであるが・・・・。


「美味しいけど、これで驚いているの」?
「まだ、本気を出していないんだけど」。
以上の言葉を彼女に伝えた時、一瞬頭がガーンとして何十年か前の事を思い出す。


私の師匠の事である。
私には、師匠が2人いるのですが、一人は通称<キング・コング>
レストラン、エカイエ ド パレ ロワイヤル のシェフ 「アッティリオ・バッソー」氏と
(この方の事もいつか書きます)日本人の山崎シェフです。
料理の仕事の技術部門では山崎シェフであり
料理に対する基本概念は、アッティリオさんである。

いつか、何かに書いたけど山崎シェフは仕事はピカイチだけど
完全な性格破綻者でセコンドが誰も付いて来れずに
すぐ、辞めていましたが、なぜか私は愛されてしまい
不思議と可愛がって頂きました。
仕事に対してのオーダーはとてつもなく高くやること成すこと、
難癖をつけられたり、あからさまに馬鹿にされたりと
散々な目に会いましたが、不思議と辞めたいとかは思いませんでした
技術が習得できれば良いのであって、1日も早く基礎をマスターして
渡仏の事しか頭にはありませんでしたから。


時々他に誰も居ない時に、ふと変な優しさを見せる方でした。
ある日、居残りをいわれて宴会の料理のアシスタントをしている時
お腹が減っただろうと、ニンニクを5片剥くように言われ
完熟のトマトを3個容易して、皮を湯剥きするようにも言われました。
他にフランスパンのスライス、グリエールチーズ。

作り方は以下の通りです。
冷たい鍋にニンニクの微塵切り、バージンオイルをひたひたに入れて
低温で加熱していきます、ニンニクに軽く色が付いたら
1cm角に切った完熟トマト、水600ccぐらい加えて 
後はマギーブイヨン(あればマギーのグラニュレイト)と塩コショーで
味をつけて、5分ぐらい煮込みます。
耐熱カップを用意して、できあがったスープを注ぎ
フランスパンのスライスを2枚ぐらい載せて 更にグリエールチーズを
たっぷり載せて サラマンドル(上火だけのオーブン)で
表面を焦がしたらできあがりです。
空腹な胃袋をギューッと鷲掴みにされたほど、美味しかった。


こんなシンプルな食材で これだけ美味しいスープを10分も掛からずに作れるなんて。
感動で恍惚としていると、師のたまう
「こんな事で感動しているの?トーマスもまだまだだな
第一この程度のスープに本気はなんか出していないからね」。



この人が本気を出して作った料理とは、いったい
どんな料理なんだろうと密かに憧れました。


師は仕事は抜群なのに、その性格から料理人としての後半は冷遇され
不具を極めましたが、今は引退して沖縄で幸せに暮らしているとの事。
何年かしたら南の島に訊ねて行こうと思います。



今でも同期の4人が集まれば、(現在私以外は、かなり大きなホテルで
グランシェフ<総料理長>をしています。)
我々4人が山崎シェフの技術は凄かったといまだに絶賛している方、
技術以外は図らずも私の反面教師になってしまった方ですが
それでも、みんなの尊敬は一身に集めています。

「いつまでも、君が私以下なら、弟子として師匠に対して
大変失礼な事だ、尊敬はしても師匠の技術はいつか
否定される運命にあるから、頑張りなさい」。


遠い昔に掛けられた言葉・・・・。
私は、果たして師匠を越えられたのだろうか?
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  1. 2008/12/21(日) 14:48:58|
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