シェフの戯言 黒いページ

リストランテ・ロアジのまわりで起きた様々な出来事を少し辛口につづってみました。

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キャプテン

電話が鳴る。
しかし、私は仕事中は携帯には出れない。


メッセージが・・・・・。
「大野ですけど、連絡下さい。近々美味しいワインを開けるのでぜひ」!
彼は「キャプテン大野」と呼ばれている。
「キャプテン大野」は、ニックネームでも無く、源氏名でもなく、雅号などでもない。
彼の職業は現役の日航の機長さん。
独身の私を心配してなのかは、知りませんが 時々スッチー(キャビンアテンダント)の
お姉さんを呼んで食事会をしてくれる。

11月にスッチーとはお見合いをさせられたからしばらくは
ほって置いてもらって良かったのですが。
二つ返事で、「お店を休んでも行きます」と返事をしました。



通常私を招待してくれる方は、私のコレクションのワインを、何か
持ってきてくれるんじゃないか?とか。
(もちろん、一緒に人生を楽しみましょう。期待を裏切らずに1本はお持ちしますが)
お暇なら手伝ってと猫なで声で、迫られて ついつい女性に甘いばっかりに
大半の仕込を手伝ったり。
(手伝う事は少しも嫌ではないのですが・・・・。
目のやり場に困る艶やかな衣装は少し誘惑してくれているのかなと
妄想の世界に入り込みます。)


そんな、悪気の無い みなさんの儚い希望が見え隠れして、
端から白衣とワイン持参で行きますが、
(これを読んだお友達の皆さん、私はそれが嫌だとは少しも言ってはいません。)


キャプテンの食事会はそれが無いので、料理とお酒と会話だけを楽しめる。
「大野さんは」尊敬のできる良い意味の大人で。
彼の年には私もそうありたいと、憧れる人である。


まず、日航のキャプテンなどなさらなくても良いぐらい
料理が上手だし、素敵な奥様と 美しすぎるお嬢さん
(1度真顔で娘には近づかないでと言われたけど、私はそんなに危険?)
趣味もしっかり持ち(ウインド サーフィンのシニアのチャンピオン)
いつも 本当に、努力をして人生を楽しんでいるなーと思います。
我が店のスタッフ2名も大野ファミリーの大ファンなので
今回、無理なお願いで2人も食事会に入れてもらった。


そんな訳で 明後日の夜はお店はお休みになります。

そんな訳で 1月22日はロアジはお休みを頂きます。
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  1. 2008/01/20(日) 20:58:08|
  2. 友人
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予約について

めずらしくランチタイムが、ひっくり返るほど忙しい時
そんな時に限って 電話が鳴り始める。
「もしもし、お宅はランチは何時までなの」?
「2時半までにお入り頂ければ結構ですが」。
「2時半までって事」?
「いえ、2時半にお入り頂ければゆっくりお食事をしていただけますよ」。
「何時まで居ていいの」?
「時間は特に決めておりませんが」。
「あっそう、所で今日のランチの前菜は何」?
「自家製の鴨のテリーナとなっておりますが」。
「スープはなーに」?
おばちゃんあくまで、マイペースである。
「ジェノヴァ風のミネストローネを御用意しておりますが」。

いいかげん面倒臭くなったので割愛するが、それから彼女は
メインを聞き、デザートを聞き、各ランチの価格と内容の事、
夜の営業のことをあれこれ訊ねた。

「所でお客様は本日いらっしゃるのですか」?
「今度行こうかなと思って・・・・・・」。
「今大変込み合っておりますので お電話そろそろよろしいでしょうか」?
電話は極めて自然にガシャリと切られた。


別な日、夜の8時半になり最後のゲストの、デザートとカフェのサーヴィスも終わり
さて そろそろ看板を仕舞おうかなーと思っていると電話が鳴り出す。

「近所に居るのですが、九時過ぎに6名御席は空いていますか」?
「大丈夫です、御席はご用意できますが」。
「では、9時過ぎに6名で山本と申します」。
「9時過ぎに6名山本様、はい承りました」。
「所で営業は何時までですか」?
「ゆっくりしていただいて結構ですよ」。
「通常は何時までですか」?
「ゲストが帰った時間です、ゲストがいらっしゃらなければ10時に閉めております」。
「10時までですか」?
「いいえ、お客様がお帰りになるまでです」。
「解りました、今から向かいます」。
かなり怪しい雰囲気なので、「念のためお電話番号いただけますか」?
「すぐ着きますから」といって電話は切られた。


今から向かう?近所に居る?一抹の不安を感じながらも急いで
テーブルセッティング、おしぼりと軽いおつまみの準備をする。
待つ、待つ、待つ。
9時になる、来ない、待つ、来ない、待つ、来ない・・・・・・。
何かの時のために、一応9時半まで待つ・・・・・。
やはり、来ないのである。

そのゲストを馬鹿にするつもりは毛頭ないが、電話番号を知らせないと言う事は
実は私は行きませんという ひとつの意思表示なのであるから。


>予約を受けたが電話番号を伺うと、私の個人情報をなぜ見ず知らずの
あなたに教えなければならないのかと、噛み付く女性が過去1名おりましたが
そんな、基本的な社会契約もできないゲストは来て頂かなくて結構と
お断りを致しましたが  何か?


はなから来る意志が無いなら
「すみませんが、やっぱり今日は止めにしておきます」。
と何故言ってもらえないのかと、いつも臍を噛む思いである。
そうすれば、私の時間も、食材も、電気も無駄にすることは無かったのに。


一応私は日本人らしいので、同属の日本人を馬鹿にしても
「目くそ鼻くそを笑う」、「天に向かってつば吐けば」(ナスティですみません)
ってな事になりかねないが。
あまりにも、レストランの楽しみ方が下手過ぎます。
もちろん、あなたはゲストですから威張っていても構いません。
もちろん、限度はあるのですが。
予約をしてやっているんだから、ランチタイムだろうが、ディナータイムだろうが
相手の都合を考えずにずけずけ電話をして良い ということではもちろんないし
あなたが、常識人ならもちろんそうはしないだろうし、いつもどうり
アイドルタイムに「今お話してもいいですか」?と訊ねれば
レストランとしても あなたにお会いする前から(エレガントなゲスト)と
ゲストの印象欄に書き加えられるかもしれない。

お店の従業員相手に、いくら威張っても影で馬鹿にされるのが落ちである。
こう書くとゲストが主で、店側は従だという輩がいるが
どうして?、そんな事だれが決めたのですか?
色々な国に行ったが、店の従業員相手に威張り散らしているのは
朝鮮人と日本人と中国人ぐらいかな?
(もちろん他にもいると思いますが)
欧米では(又欧米か?といわれそうだけど)帰り際サービスを受けたゲストが「メルシー」(ありがとう)を言うのは
最低限のマナーの様な気がするが・・・・・。


2番目の話に戻るが、予約はもちろんキャンセルしていただいた構いません。
しかし、誕生日とかで料理の予算、内容をすでに決めて頼んでいる場合は
普通の人なら「予約はなしで」とはいわないはずです。
でも、人生にアクシデントは付き物で どうしても、いけない場合はあると思います。
そんな時 いまだに佐賀でピンピンしているおばあ様を、今月は3回死んでもらうのか?
正直に今に状態を話すのか?それはあなたの良心ですが。


昔自分のガールフレンドの生まれ年の Ch,オーブリオン(ボルドーの5大シャトー非常に高価)を
どうしても、探して欲しいお金は掛かっても構いません、因みにその日のディナーは1人20000円(10年前はかなり高価)でお願いします。
との予約を受けた、今みたいに希少ワインがネットでサッサと手に入る時代ではなかったので随分苦労したが何とか手に入れ、先方に価格を知らせたら問題ありませんとの事でしたが。

当日来ないのである、幸い住所と電話番号は控えていたので、電話すると
「わりーィ 今日都合悪くなったキャンセル!キャンセル!」。
ホテルの顧問弁護士が2度ほど支払いの催促の手紙を書き、最終的には
支配人が北九州まで取り立てに行った。

交通費、手数料、損失分、お金の合計は12万円を楽に越えていた
彼が手にしたものは、市価の3倍のCh.オーブリオンでした。


なにも難しいことはありません。
あくまで、あなたの一般常識に照らし合わせて振舞って下さい。

                         


                                 「汝の欲せざる事を、他人になすべからず」
  1. 2008/01/18(金) 16:26:22|
  2. ゲスト
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コック オー ヴァン(鶏の赤ワイン煮こみ)

ブルゴーニュの地方料理でコック オー ヴァン「鶏の赤ワイン煮こみ」という料理がある。
パリのアヴェニュー ボスケにあった「ラ ブルゴーニュ」で勤めていた頃
お店のスペシャリティーでよく作らされていた。


年末、鶏好きなゲストが来てわざわざ某ブランド鶏を取り寄せたのであるが
あまりの硬さに(なんでこのような硬い物をみんな喜んで食べるのだろう?)
当日は急遽メニュー変更して対応しましたが・・・・・。

「煮ても焼いても食えない奴」という言葉があるが、煮たら食えるけど
「焼いても揚げても食えない鶏でしたね」。
幸いその日は牛ホホ肉の赤ワイン煮こみの仕込があったのでいっしょに処理しました。

もちろん、個体差はありますが脛肉だのホホ肉は1時間半から 2時間半煮込めば
軟らかくなります。
(6時間コトコト煮込みましたなどと正面切って大嘘を吹く輩が居りますが
ためしに、6時間肉を煮込んでみて下さい。
肉は繊維だけとなりバラバラの始末に負えない代物になります。)

そうしたら、軟らかくなった肉をバットに分け煮汁を煮詰めてソースを
作るわけですが・・・・。
この、ブランド狂いのスノッブ鶏君少しも軟らかくなっておりません
というか、カチカチ。
メインの仕込みはホホ肉様なので、鶏君にはとっととお下がりいただいていたのですが
昨日冷蔵庫の奥から真空処理された鶏君を発見、
早速救出作戦が発動され実行に
移されたのですが(ただ再度1時間ほど煮込んだだけ)
件の鶏君、冷蔵庫の中がよほど寒かったのかすっかりへそを曲げて、
ますますカチカチ 途方にくれました。

だんだん、拗ねていつまでも機嫌を直そうとしない お馬鹿な昔の女友達を思い出して
「よーし、お前がその気なら ふてくされた事を後悔させてやる。けけけけけ」。
鶏君を鍋から上げてスプラッター。5mm角に切り刻んでやった、
玉葱、人参、セロリを3対2対1で炒めてニンニク少量、タイム、ローズマリーも加えて
再度煮込みにかかる。
哀れ、薄倖のブランド鶏もめでたくパスタのソースになりました。


正式な私が教わった「コック オー ヴァン」は?
お肉を上げて、煮汁を煮詰めてソースを作り鶏肉を鍋に戻して温め
鶏肉を皿に盛り、ソースの仕上げにバターと鶏の血液でソースをつなぐ
濃厚な料理です。
ソースの色はチョコレートをたっぷり溶かした「モーリス ユトリロ」のような色彩です。
どちらにせよ、スプラッター物かブラッデイ物かの違いはありますが
黒いユーモアたっぷりの美味しい料理です。

3日前4名様以上でリクエストがあれば何時でもお作りしますよ。
ワインのマリアージュは、シャンベルタンなどいかかが?


  1. 2008/01/15(火) 14:36:57|
  2. 料理
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八草粥

昨日は七草粥ならぬ八草粥を作った。
本来ならば七草粥のはずですが、私はパリ時代に食べた中華やヴェトナムの
お粥が大好きでお粥と言えば東南アジアの方を向いています。


作り方は簡単ですのでぜひ一度お試し下さい。
上湯あれば清湯(どちらも上質な中華だし)無ければお好みの
中華だしで・・。
お米はてきとーに砥いで笊にあけ1カップにつき大匙1ぐらいの
サラダオイルをまぶして10分ぐらい給水させます。
あれば土鍋で1カップのお米に中華出しは10-12カップ用意します。
2人前で1カップのお米で十分だと思います。
便利で手抜きなインスタントだしを使うなら葱と生姜のぶつ切りを2切れ投入して下さい。
土鍋は沸くまでは強火で構いませんが、沸いたらできる限りの弱火で
(表面がごく軽く踊るぐらいです)1時間から1時間半ぐらい付きっ切りでかき混ぜながら炊いていきます。
お米がはぜて花が咲いたみたいになれば完成です。
味付けは塩のみです。
間違ってもお醤油及びニョクマムなどをたらしませぬように。
ここで、小さく刻んであった七草を投入したら火を止め
お気に入りの器に盛り、ごま油を少したらし香菜をたっぷり
ふりかけて熱々を召し上がれ・・・・。

今年も懲りずに正月早々暴飲暴食をしたあなたの胃には至福の
安らぎの時間が訪れるかと思います。

しかし、シンプルな物ほど料理はむずかしいですね。
粥で思い出すのは開高さんお勧めのモツの中華粥
初めて食べたのはパリの長城酒家。
カフェオーレぐらいのどんぶりに真っ白な白粥?と言いたくなる物体が。
一口レンゲをさしいれてお粥をかき混ぜると百花繚乱の混沌が
広がり悶絶しそうなほど美味しかった。
あれが在り、これが在り、なおこれも在ると言った感じでした。
(ただしイタリア料理のトリッパの煮込みと同じでモツの下処理が
まずいとどうしようもなく臭くて不味い物になってしまいますが。)

その日から私は粥は病人、お子様の食い物と言う考えは改めました
しかし、私は短気で有名で若い頃は瞬間湯沸かし器とまで
呼ばれておりましたので 
付きっ切りでゆるくお粥を混ぜ続ける動作がどうにも
許せませんでしたが・・・・。
しかし、 年を重ねると言う事は時には面白い事で
そんな退屈な動作も今ではまったく嫌ではなくなってしまいました。
ただ、途中味見をするといざ自分が食べる時に美味しくないと言うことです。


あまりの美味しさに3杯もお代わりをしてしまった私。
いくらダイエットだからと言ってもねー。
すごく消化も吸収も良さそうだし・・・・。


  1. 2008/01/08(火) 19:49:29|
  2. 日々の出来事
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