シェフの戯言 黒いページ

リストランテ・ロアジのまわりで起きた様々な出来事を少し辛口につづってみました。

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発情、じゃなかった発熱。

 昨日は料理教室、朝早くから準備に取り掛かるが何だか体が重い。
夏バテ?それとも新しい仕事用の靴がまだ馴染まないので足の筋肉が痛いのかな?
体調が悪いのを押して、それでも楽しく夏の涼しげな前菜と 少し辛めの夏野菜と鰯のスパゲッティー、ココナッツのビアンコマンジャーレ以上3品無事終了。
和気藹々と楽しい教室でしたが終わる頃には背中まで痛くなるし、こりゃー泳ぎに行かなければ大変な事になるとお気楽に考えていたのですが・・・。
昼の後片付けが終わるといよいよ我が体調は悪くなる一方で、休んでしまいたい気持ちの方が強かったのですが、予約で3組受けているのでその方達は受け入れないと(1組は結婚記念日と奥様の誕生日でわざわざ広島からいらっしゃるらしい)お店の信用にも係わるし、気分は灰色なんだけど準備をしてディナータイムのオープン。
3月末には季節はずれのインフルエンザをもらってお客様に迷惑をかけるといけないと思い3日もお店を休んでしまった。
我々プロの料理人はいつ、如何なる、状態でも85点以上の仕事が要求される。普段から体力と精神力は十分鍛錬を怠ってはならないが 人間悲しい事に年を重ねると抵抗力は確実に低下する。
3組以外は予約でいっぱいと言う事にして、お客様に集中する 何とか十分満足していただいて21時半にはみなさん退店。気分はもうムチャクチャでしたが「又来ます」の一言が嬉しかった。
清掃は翌日にやる事にして洗い物だけ終わらして、自宅に帰り体温を測ると38.6度でした。幼い頃「夏に風邪引く馬鹿がいる」と近所の藪医者にののしられて、「馬鹿がいるから先生が儲かっているんでしょう」と口答えしたら露骨に嫌な顔をされたが、夏風邪 症状はかなり重いんですよ。
オーナーシェフのお店なんて、一見なにやら楽しげで自由に思えるかもしれませんが 薄氷の上を歩むが如しで一時も油断などしてはいられない。(まあ、世の中楽な仕事など何処にもありませんが)
我々の仕事でなにが不幸かというと体調が最悪の時に料理を作り味を見てなおかつそれが十分美味しくなければならない事。
幸い病気などはめったにしない強い体力を親から受け継いだが、それでもたまには患う、そんな時味見をする クリーム系のパスタソースのまずい事 それでもそれを的確に判断しなければならない状態はっきり言って地獄です。
一晩中筋肉痛と熱に苛まされて「今日はお休み」と心に誓った私でしたが今朝になると体調が悪いのは昨日と同じですが、一日お店を営業できるだけ回復している自分に喜んだり悲しんだり。
「多分お盆まで休めないんだろーなー」
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  1. 2007/07/30(月) 18:04:09|
  2. 日々の出来事
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短い休み

久しぶりの休みである。
ゆっくり起きてシャワーを浴び濡れた体を拭きながら、缶ビールをグッと飲む。
今日は仕事に追われる奴隷の身の上じゃなく、自由な予定の無いお休み さて何をする?
まったくの放置プレイ状態のガールフレンドがたまには「遊んでよ」とうるさいので、2ヶ月ぶりの陽の当たるデート。海中にでも行って魚と戯れたかったのですが、なんせ暑いし船で行くかバスもいい電車も捨てがたいと迷っているうちにこの案件は却下。
まだ午前中なので映画でも行きますか、と言う事になって映画館には行ったものの時間が合わず、キャナル・シティーまで足を伸ばしたけどやはり時間が合わず そろそろお腹が空いてきたのでお昼にしましょう。
めったにキャナルで食事をしなくなったが(当たりよりはずれの回数が多いので)まちがいのないところで某ホテルの中華に行った。
あてのない休みの日に運河沿いを歩く人たちをぼんやり眺めながら食事をするのはとても好きです。某ホテルには何名か親しいスタッフもいるので安心して 15分後に行きますから空いていれば窓側の席をリサーブしたい旨伝えたが、今は空いているが15分後は解らないとまったく頓珍漢な事を言われたので「あなたが私の席にリザーブの札を置くだけでしょ」?といっても要領を得ない「10分内においで下さい」。と駄目出しまでされてしまった。
これは多分夏休みだし 忙しいのだろうと思っていたらガラガラで窓際の席も3席空いてるなぜ電話を受けた彼は訳の解らん事を言ったのだろう?
夏バテか夏ボケだろうと笑って席に着いたが、まずメニューが変わっている少し心配、知っている顔がほとんどいない段々不安。
ここに来たら「飲茶」でしょう。とりあえず6品ほど頼んで何か飲みたいかったので生ビールと彼女はお酒がだめなのでプーアール茶をオーダーした。
生ビールはサーバーも良くというか、かなりきれいに毎日洗滌しているのでしょう とても美味しかった。
で彼女のプーアール茶だけど、とってもおしゃれなポットと何とグラスでサーヴィスされる。ガラスは熱伝導が良すぎてこれじゃ飲めないだろうなと思っていると案の定、熱くて唇でも火傷しない限りとても飲めそうにない、「これは下げて普通の湯飲みを下さい」。
すぐに代わりの湯飲みは持ってきてくれたけど、このホテルの雰囲気に呑まれて何も言えない人もいるだろうと黒服の方をつかまえて「とてもおしゃれなのはいいけど、これじゃ熱くてお茶は飲めないから少し考えた方がいいんじゃない」?と伝えたが
「グループホテルで今年の夏はこのグラスででサーヴィスすることに決まっておりまして」。とまるでどこぞのお役人様のおっしゃりようなので半ばあきらめて「じゃあ一度、支配人かマネージャーにこのグラスで熱いお茶を飲んでみて下さいとお伝えしといて」。
他にも気になる接客、対応が多々あったが。「他山の石」という格言がある自分でも同じような事をやっていないか?良かれとと思ってお仕着せのありがた迷惑な接客をしていないか?少し反省しました。
味は前回に続いて落ちたという感じは(点心師が変わったのか?)ぬぐえなかったがそれでも十分美味しかった。

映画は「ダイハード 4.0」を観た。娯楽作品としては物理科学上ありえない事が満載で2時間つっ込み放題の楽しい作品でした。
  1. 2007/07/25(水) 15:16:00|
  2. レストランサーヴィス
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鯨はうまいぞ!

5月の末からアメリカ、アンカレッジで開催された国際捕鯨委員会IWCが6月の初め閉会された。

今回も日本側から提案された、日本近海におけるミンク鯨の捕鯨枠の要求は合意には至らなく またしても欧米動物愛護ファシストたちのメチャクチャがまかり通った。
近年日本近海で鯨と思しき海洋生物と、日本 韓国の船舶の接触事故が絶えない。DNA検査の結果、原因は増えすぎたミンク鯨であると断定されているが現状では駆除も何もできず 手をこまねいているだけである。
大きな事故が発生して死亡事故になったらどうするのか心配しているのは私だけではないはず。(もちろん人間だけが無事で鯨はどうなろうともわれ関せずと言うつもりはまったくないが)自分の家族がそんな思いもよらぬ事故で死んでもなおかつ鯨は保護しましょうと果たしていえるかどうかはなはだ疑問に思います。
IWCの発足は元々シロナガス鯨やナガス鯨などの極端に数の減った鯨を保護して頭数を増やし鯨を有効利用しましょうというのが趣旨のひとつだったはず。
しかし南氷洋で増えたのはミンク鯨で、本来のシロナガス鯨の生態域まで圧迫して数はほとんど増えていないのが現実である。
世界の人口がこのまま増えていけば、今世紀末には100億から120億人に増える事が予想される。食料資源としての鯨の事もちゃんと考えるべきなのに 鯨保護は正義で、まじめに人類の食料危機を考えてひとつの選択肢として鯨の利用を口にすればあんな可愛い動物をと非難されるが如何なものか?
ミンク鯨は体調8m体重は約8トンある。この鯨がうじゃうじゃ増えて日本近海の魚を食い散らかしている。
鯨保護団体は鯨に関しての資料の捏造はお手のもので水産庁の統計と著しく数値が違っていたり、日本人は別に鯨を食べたがってなんかいないと言ってみたり(今の若者は捕鯨が禁止されてから生まれているので根本的に鯨を食べた事がないのであって、そりゃー食べた事も無い物は別に食べたいとも思わないでしょう)
反対国の論調はヒステリックな「知能が高く、平和な動物で可愛いから保護すべき」と科学的には何の説得力もない感情的な意見ばかりで、捕鯨推進派の水産庁から提出された綿密な科学的調査に基ずくデータとは異なる。だいたい反捕鯨国のほとんどは18世紀末から19世紀に鯨油目的で鯨を取り散らかした国がほとんどで(ペリーが浦賀に来航して開国を迫ったのも捕鯨船団の水、食料、薪炭の供給基地としての目的があったのをお忘れですか?)石油科学が進み代替油が開発されるとサッサと手を引いたのが現実で代替油がなければ今も捕り続けていたはず。
反対国のオーストラリアでは自国の増えすぎたカンガルーはバンバン射殺して間引いて適正な数の調整をしているのになぜ鯨はダメなの?
反対国アメリカは自国のイヌイットには伝統的な漁法で伝統的な食料だからと8000頭しかいない北極鯨の捕鯨を無理やり認めさせるというどうにも矛盾したことを平気でやっているが、捕鯨は日本人の伝統的な漁法で伝統的な食料ではないのですか?
それに日本人は鯨を食料と資源としてほぼ100%有効利用してきたので、鯨油だけとって後の部位は海洋投棄して世界の海を荒らしまわった国とはかなり違うと言うか、いっしょにされたくない。
子供の頃メルビルの「白鯨」を読んだが鯨油をとって樽につめるシーンで胸が悪くなった。これまた子供のときのお気に入りジュール・ベルヌの「海底2万海里」で(ネモ艦長の生き方にすごく人間性を感じたのですが)マッコウ鯨に襲われるナガス鯨(そんな事実際にはありませんが)をみた艦長何を思ったのかノーチラス号の尖角でマッコウ鯨をズタズタにしてしまう 欧米人の感情はこのシーンに集約されている。
私は仏教徒ではないが、仏教的な物の考え方は好きである。生き物は全て同じである。植物は太陽光線で光合成をする。その植物に半ば寄生して動物は生きている(二酸化炭素の供給をしているので完全な寄生ではないが)生まれた時から他の物の犠牲の上に我々の命が成り立っている(いみじくも日本人は命をもらう意味を込めて食事の前には「いただきます」と手を合わせるではないか)

「鯨はうまいぞ」なんて書いているので鯨料理の話しかと思った方。
鯨カツ、鯨の生姜煮、酢味噌で食べるおばいけ(鯨の脂身)関西なら関東炊き(おでん)のコロ(これも鯨の脂身)、鯨ベーコン、畝須、ひゃくひろ、中でも記憶に残るのはシロナガス鯨の尾の身、私が生きているうちにはもう二度と食べられないけど。
とにかく海上の安全な航行と孫やひ孫の事を考えるなら、鯨アレルギーにならずにかんがえるべきだと思います。「鯨は保護するべき」!あなたの意見も尊重しますから、鯨の有効利用に賛成する我々の意見も尊重してください。
とにかく 鯨は美味しいのだから。
  1. 2007/07/22(日) 12:44:55|
  2. 食材
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商売抜きで

「何か特別のお食事ですか」?
「特別ではないのですが、ボーナスも出たし家内の誕生日なので」。
電話を切った後で何かしら記憶の片隅に引っかかる物が・・・・。

人はパンのみに生きるにあらず。
予約の当日お二人は6時に来店、顔を見たとたん記憶が氷解する。
「芦田さんでしたか」。(もちろん本名ではないが)
ご主人は大手の水産会社にお勤めの方で、神奈川県の小田原から転勤で福岡に、昔修行時代箱根住んでいた関係で、水産資源と地元の話しで大いに盛り上がったのは確か一年半前。
久々の来店です、お客様の顔と名前はなるだけ覚えるよう努力はしている物の、昔冬のブリュッセルで時速80kmで衝突、奇跡的に軽い怪我で済んだもののその時から人の顔と名前に関する記憶が甚だ怪しい私、どうもすみません。
ワインを私がセレクトしたが、別に美味しいけれど今日は特に美味しいワインを飲みたいとの事でそのワインはお持ち帰りにして、2本目のワインを開けた、前回はセルヴァ マッジオを開けた記憶があるがそのワイン今はどこのエージェントもあつかっていない つまり在庫がどこにも無いのである。プライヴェートの私のワイン、スピネッツタのバルバレスコ2002年を開けてあげる事にしたが かなり良い値段がする。
お二人の経済的バックボーンがまるで解らない私は市価の約3万円つけて良いのやら解らなかった(いくらでも構いませんこの言葉の裏側には悲喜こもごもで、ほんとに10万円のワインでも「おいしかったよありがとう」。と大喜びで帰る方もいれば 中洲のご出勤前のきれいなお姉さんを連れて食事にいらして自分のリッチぶりを自慢しようと一番高いワインをと身の程も知らずに頼まれる方、「一番高いワインは30万円になりますがよろしいですか」。渡されたメモを見て青ざめる顔が面白い。高級ワインのリストは別にもう一部ありちなみに一番高いワインは30万円の価格がついているが別に暴利を貪っているわけでなく極めて良心的な価格であるが)。
良く解らない私が悪いのと、商売抜きでいいやと思わせる物をお二人がお持ちだったので、良いお値段はしますがとてもよいものです、それに今日は原価で構いませんから楽しんでください。
「美味しい」と、とても喜ぶ奥様の顔を見てこちらまで幸せな気分にしてもらえましたよ。
お支払いのさいにご主人の予算ぎりぎりだったらしく安堵の顔がかわいらしい。仕事が終わって帰りの道すがらなぜかとても幸せな気分になれたのはなぜ?
私はいつも毒を吐き散らかしている訳ではありませんので、あしからず。
  1. 2007/07/21(土) 23:16:50|
  2. ゲスト
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ミシュランガイド補足

 少し書き足りない事があったのでミシュランガイドの補足をします。
毎年3月ぐらいにその年のギイド(ガイド)が発売されます。
フランス、べネリュックス、スペイン、イタリア等、国別にの案内になります。
たとえばある年のミシュランイタリア版では、使い方の表記がフランス語、イタリア語、ドイツ語、英語で書かれています。
なるだけコンパクトにするために記号が多用されていますので、その説明、行こうとしているレストランやホテルがどのカテゴリーに入るのか、全体の部屋数、エレベーターはあるのか、エアーコンは?テレビは?喫煙か禁煙か?部屋に電話は?身障者は可なのか?プールはあるか?あったらそれは室内か屋外か?テニスコートは?車は自由に止められるのか?有料か?ペット同伴可か?ヘリポートはあるのか?(ここらへんが日本のなんちゃってセレブと、本当の意味でのセレブリティーの違いか?ヘリを持っていればセレブという訳ではないが)細々と記号の説明が終わると、次に星の説明、次のページが価格の説明、次にまた都市の記号の説明、等が続き最後にご当地の美味しいワインと食べ物(辛口の白なら・・・。軽い赤なら・・・・。フルボディの赤なら・・・。デザートワインなら・・・。何々とイタリアの産地を併記してあります)以上で使い方の説明が終わり。

 例えばあなたがフィレンツェでボティチェリの「ヴィーナスの誕生」を何が何でも観たくなったとします。
ついでだから市内観光もして、美味しい物も食べて、少しリッチなホテルに泊まりたいと思ったとします。
旅行代理店に電話して希望を伝えるのも一つの手ですが、手元にあるミシュランを開いてフィレンツェFIRENZEを引きます。都市名はアルファベット順に載っていますからすぐに解ります。
まず大きなフィレンツェとその周辺の地図があります。次のページはフィレンツェ チェントロ(中心)の地図、次のぺージにはさらに詳しい地図がこれでもかと載っています。(ミシュランタイヤの顧客のためのガイドですので地図の正確さと車が故障した時のガレージの位置表記は見事な物です)。
最初の項目はホテルの案内です。行きたいホテルの後ろにアルファベットの小文字が地図上の位置になります
フィレンツェの5つ星のホテルは一軒 エクセルシオールだけです。まだそれほどリッチではない私はそんなところに泊まって部屋をきれいにしてくれたメイドさんにいったいいくらチップをあげたら良いのだろうと悩むよりはいつもの行きつけのホテルにします。
私の定宿のサヴォイホテルは4つ星、赤い表記ではないのでそんなに高くはありません。
住所と郵便番号、テレックス、ファックス、基本的なお部屋の価格と、設備、使えるカードの順に書いてあります。国際電話で予約するのも良いし(英語、ドイツ語、フランス語もちろんイタリア語は普通に通じますから)。会話が苦手ならファックスでも、e-メールでもお好みで。
日程に余裕があるのなら郵便で予約の申し込みをすると(きれいな便箋できれいな封筒にすること)少しホテルに着いたときのあなたの待遇が違うかもしれません、(向こうの一部のセレブはいまだに郵便で予約をする方がいるのは事実)。
次は食事、フィレンツェで美味しい物ならぜひ一度エノテカ・ピンキオーリを訪れる事をおすすめします。銀座やお台場なんぞの支店じゃない本物はとっても美味しいですよ。黒の4つ星(ナイフ、フオークのクロスが4つということ)料理の評価は3つ星つまり最高の評価です。表示されている事はホテルとほとんど同じなんですが、休みとヴァカンスの期間も書いてありますので必ず確認して下さい。
それからレストランの項目にはそのお店のスペシャル料理が表記されていますのですごく参考になりますよ。

昔ミシュランをもってヨーロッパの町をさまよい歩いた、私の旅は基本的に食べ歩きの旅だった。(人間余裕ができるときれいなお姉さんと1ヶ月丸々車でヴァカンスなんてこともあったが、たかが1週間の休みも取れない日本のシステムを怨む、今1ヶ月お店を休んで食べ歩きの旅をして帰ってきたら確実にロアジは消えているでしょう)。
ミシュランは洋書をあつかっているような大きな本屋さんなら取り寄せ可能です。しかし売れたからといって2版発行とはなりませんのでご注意下さい。
ゼロ時間の辞書や百貨辞典と同じでミシュランは眺めても楽しい本です。
  1. 2007/07/21(土) 21:36:49|
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ミシュランガイド

 「うちのシェフはミシュランの5星のレストランで修行しておりました」。
別に嘘は言っていないけど大嘘である、善良な市民は騙されている。
5星はあっても5星はないのである。ミシュランの星はホテルやレストランの規模、設備に与えられる星、(レストランにはスプーンとフォークのクロスした印、ホテルにはお城の印)と料理に与えられる星の二つがある。さらに超デラックスなホテルやレストランにはそれが赤色で表示される。
その規模、設備に与えられる星も1つ星から5つ星までの間で評価される。
例えば規模、設備もささやかでも赤色で表示されていたら、1つ星でもデラックスということになりお支払いも結構な金額となる。

第一の星、レストラン、ホテルの規模設備に与えられる星の事はご理解いただけたかと思います。
で・・・。第二の星、時には自殺者まで出てしまうレストランの料理に対する評価(ヴェルナール・ロワゾー氏が3つ星から2つ星に降格された時、自ら命を絶たれたことは悲しい出来事である)。
普通、星無しから3つ星までの4ランクの評価が与えられる。
ミシュランガイドの赤本(地図だけの緑本もあります)ミシュランタイヤの利用者のために発行された本であり、そこから利益を出す必要はまったく無かったわけでガイド本にありがちな不正は全くなく「正直者の鑑」みたいなガイド本になった。(良く向こうのシェフやレストランのオーナーがうちはミシュランにお金を払わないから評価が低いと言うのは只の負け惜しみである)。
「俺たちゃ、福岡のミシュランだ」と小生意気な馬鹿な評価をしている愚か者の集まりがあるが(「何が?何処が?ミシュランだ」と思っているのは私だけ?)あんな不公平なジャッジではなく誠に公平なジャッジで、ミシュランガイドにはガイドに記載されている事について間違い、ご意見がありましたら弊社までお送り下さいと、そのまま送れる手紙が付いています。
「あそこのレストランは1つ星の評価は低すぎる 又は高すぎる」。
1通、2通の投書は無視してもかまわないが何10通、又は何100通になると ミシュランは密かに覆面の調査員を送り込む、誰がその人なのか誰にも解らない。今1人で食事をしているこの紳士かもしれないし、昨日6人でいらしたお客様かもしれない。
何しろ一度もばれた事がないので、毎日がテロの攻撃に怯える何処かの国民みたいな話になって気が休まる暇が無い、手も気も抜けなくなるがそれでレストランの高い質が維持できるので誠によいことであるが。
昔マキシム ド パリが3つ星から2つ星に評価が下がった時、そんな評価に一喜一憂したくないから もうガイドには載せないでくれといった有名な話もある。
料理に対しての星であるが 3つ星がもらえるのはレストラン(料亭)のみで、どんなに素晴らしい料理でもホテル内のレストランは2つ星までの評価止まりだし。外国(ヨーロッパ圏以外)の料理にはいくら頑張っても1つ星(我々は外国人で正当な評価ができないからとちゃんと断っている)しか付かない。

最後に各星の評価の意味は大体以下の通りになると思います。
1.星無し
美味しい物が食べれるかもしれないので 一度行ってみるのも良いかも知れません。
(何万件もあるレストラン、ミシュランに載るだけでも大変なんですが)
2.1つ星
かなり美味しい物が食べられる可能性が高いので近くに行ったらぜひ、行ってみましょう。
3.2つ星
お勧めしますからその地方に行くなら、わざわざ寄り道しても行く価値がありますよ。
4.3つ星
旅行かばんを用意しなさい、荷物をつめたら出発です。
そのお店はわざわざ出掛けて行く価値が十分ありますよ。

5つ星のレストラン、存在はするが存在しないのがお解かりいただけましたか?
  1. 2007/07/20(金) 15:53:35|
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待ち遠しいゲスト

 「25日の夜に伺いますのでよろしく」。
ロアジに年3回しか来店されないゲストがいらっしゃいます。
1回目は奥様の誕生日。2回目はご主人の誕生日。3回目は二人の結婚記念日。
天神ロアジの開業の時からだから8年間で24回、他店での浮気なし。
二人の記念日のみの来店である。
洋品店を二人でなさっているので 来店はいつも20時過ぎ、私の暇な曜日のみ、予算も料理も全てお任せ、食べたい物は事前に連絡をしてくれる。
この8年間、リクエストが無い限りまだ同じ料理を出した事がありません。「私が引退するまで同じ料理は出さずに済みそうですよ」。「それは嬉しいです」。
彼らが来ると解った時点から来店するまでの時間が楽しみです。サント・エグジェッペリの「星の王子さま」の中でプティ・プリンス(原題では小さな王子さま)が砂漠の中で狐と今度会うときの話しをしている時、急に君を訪ねてきちゃダメなのかいとたずねると、もちろん突然訪ねて来てくれても嬉しいけど、今度はいついつ会えると約束すると約束した時からおいらは嬉しくなっちゃうじゃないか、待つ間も後何日したらおめえと会えると考えただけで嬉しく待てるだろ?
確かそんな話しだった。
この話しは何度か引用しているお話しですが レストランとゲストの良い関係はこうあるべきだと思います。
ゲストはお店を選べるし、お店も当然ゲストを選んでしかるべきなのに日本では時々まったくお店側はゲストを選べない場合があります。
たかが料理人風情が偉くなったつもりはありませんが、我々も1人の人間には違いないし 初対面のゲストから横柄な態度をされると愉快ではないのも事実です。(まあ大使館にいた時、一部の心無い館員からサーヴァント[使用人]などと呼ばれた事を考えると随分ましですが。ちなみに同じ外部調達の医務官は茶色に輝く外交旅券で一等書記官の肩書きがもらえるのに、大使公邸のシェフでさえただの緑の公用旅券で何の肩書きもない 見なし公務員なんですよ、理由を聞いて驚いたがいつでも首を切れるようにだって)。
戦国末期から江戸時代に職業としての料理人は確立されたと思いますが、大名の料理人でもなければほとんどがしがない、当時のカーストで言う所の町人、最下層の(今の話ではなく当時の社会のシステムの話しをしているのであって差別の話しをしているわけではありませんので念のため)人間がやっていたし。明治のご維新の後も地方の食い詰め物が都会に集まってきて他にする事がなくやっていたのが我々先輩諸氏の仕事であり、ブルボン王朝末期の大膳頭(宮中の食事を作る役職)など全てが貴族だったのとは大違い、知性も無く教育も受けられず、「おいこら」よばわりで朝から晩にこき使われてきたので、いまだに社会的地位が低いのは良く理解していますが、もう少し丁寧にお話しになっていただけませんか。

年に1回来るか来ないかの不思議な自称常連がいる。大抵どこかで何か召し上がった後いらしゃるか 酔っ払ってベロベロとか ほとんどラストイン(その時間までに来店頂ければゆっくり食事をしていただいて構いませんよという時間ですが、翌日の1時半までいられると・・・)5分前とか そうでなければ今から飛行機の乗るから急いでと閉店時間の5時とかに来店される非常に自己中なゲスト。
来たら来たでこちらがどれだけ追われていようとメニューにもないわがまま料理、材料と精神的余裕があれば作ってあげたいが無理なものは無理、時々爆発しそうになるが本人とっても幸せそうなので何も言えなくなってしまう。
彼はどうも無理をいってごり押しをするのが常連の特権だと思っているフシがある(常連などと誰も認めていないのに)、忙しい私にまとわり付いて親しげに話すのが常連だとも思っている。
「災難は忘れた頃にやって来る」が彼が電話をしてきた時の合言葉。
実を言うと彼はお医者様なんですが携帯の登録名前は「毒ター」で入力してある。

閑話休題、
ロアジには色々なお客様がお見えになるが、できればお客様と良い関係(どんな関係かというとジャン・ギャバン主演のグランド・レストランででしたっけパリの下町でシェフをやっているやつ。とても良い映画ですよ多分DVDは無いと思いますがとても良い映画でしたよ。)はもっと構築すべきだと思う、年1回でも構いません。私がお待ちするのが待ち遠しいお客様が少しでも増えれば 幸福な日々の作り主としては皆様から頂くお代金と同じぐらい幸せな事だと思います。でもその先はぬかるんだ泥道。
  1. 2007/07/17(火) 21:04:07|
  2. ゲスト
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素材に溺れる(驕れる)人達 2

 前回は食の安全保障のほんの入り口、触りの部分だけを書いたが 
その話しをずーっと続けると本を一冊書く事になりかねないし 私が本来伝えたかった論点からかなりずれてしまったので話を元に戻します。
安全な外食を望むなら信頼のできるレストランなりシェフと友達になることぐらいでしょうか?(彼がだまされていたらどうしょうもないですが)。

今回のテーマ「食材に溺れる」。何をお伝えしたかったかと言うと。
呆れるほど良い食材を使いながら、呆れるほど(その方も何かしら思いがあって料理を作ったと思いますからマイナスイメージで表現したくなかったのですが、少なくとも私の口には合いませんでしたので)マズイ料理を作る店があちらこちらにあります。
料金が味と同じく安っぽいのなら問題はないのですが、三ツ星で大盤振る舞いしたってこんな事にはならないよなーと情けない気持ちでお勘定をする時の気持ち、素材が抜群なだけ同じプロとして許しがたい気持。「誰か察してくれー」。
食事の間中 何処産のトマト、何処産の魚、何処産の肉とかなりうるさい。
気になったのは「何処産のトマトはいかがでしたか」?みたいな聞き方をして「さすが素材を売りにしてるだけあって料理は二の次なんですか」と聞きたくなってしまったのは私だけなんでしょうか。

ロアジのお客様で中州でバーを経営なさっている方がいて(某テレビ局の番組にも出演されていてやたら辛口の話しをされる方です)いつも技術の事で話しが合う尊敬すべき先輩なのですが。
ある時「次に店を出す時はカクテル一杯3000円からの店をやりたいよなー」。と感慨深げにつぶやいているので どうしてですかと訊ねると「ほんとに技術を出したらそうなるでしょう」?あっさり言われてあさり納得。(彼のお店はかなり良いお値段がしますがそれでも十分満足できますよ。)
彼曰く「最近のレストランは素材素材と言いすぎる、それを組み立てる技術は二の次じゃないか 丹精込めて作った作物が美味いのは当たり前じゃないかそれをまずく料理に仕上げやがって」。
確かにベストでも何でもないのにベストの食材、ベストの調理、ベストの料理を売りにする店があまりにも多いのは確か。
数学の1から無限の話しをしてるような感じになるのは私だけなんだろうか。
なぜグッドじゃいけないのか?ベストは存在しないけどグッドなら存在できるはず。
一昔前「おいしんぼう」なる漫画があったが、やたら素材の話しばかりで 知り合いに「山田さんももちろん読んでますよね」と聞かれてもちろんあんなファッショな漫画を僕は読んでいませんと答えた記憶があるが、身びいきもいい加減にしろといいたくなるほど独断と偏見に満ちて何の科学的根拠もないことを真実みたいに書いている所がどうにも許せなかった。仮に10歩譲って 書いてある事が正しいとしてもあのような食事をすることが可能な人がいったいどれだけ存在するのか、自分達さえ良ければいいのか?
それを何も疑いもせずに真に受けている馬鹿者が当時いかに多かった事か。刺身を食べていると「山田さん、刺身はわさびを醤油にとかずに刺身の端に少しのせ 切り身を少し醤油を浸して食べる物なんですよ」などと澄まして言われたので、「伯父は漁師でしたがそんな食べ方はしませんでしたよ。ヴァレリーがクラッシッツクはきらいでシャンソンが好きという人を低俗な人と決め付けてはいけないと言ったのを知っていますか」?とお返ししたが彼は何も理解はしなかった。

もう疲れて何をどうまとめたら良いのか解らなくなりましたが・・・。
とにかく私は安全であればそこそこの材料で素晴らしい料理を作る人の料理が食べたいということ。技術の無さを素材ばかりに頼らないで下さいということをお伝えしたかっただけです。
もちろん支払った対価のバランスがよいことは無論であるが。
私にとって滅多にない外食をこれ以上憂鬱にしないで下さい。
  1. 2007/07/16(月) 20:49:20|
  2. 食材
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素材に溺れる(驕れる)人達 1

 「本日のメインはイベリコ豚の炭火焼きか、タスマニアサーモンのヴァッポーレの中からお選び下さい」。ランチのメインをニコニコ顔で薦めてくれる。
皆さん素材にこだわりお客様に喜んでいただこうと頑張っていらして喜ばしい事であるが・・・・。
おりしも何を仕出かすか解らない国、中国でパルプフィクションならぬパルプ肉饅頭が摘発され物議をかもしてはいるが、一部中国の守銭奴たちのやっていることは非難をされて当然ではあるが、わが国の食肉業者の材料偽装事件も似たり寄ったりで、「まるで目くそ鼻くそを笑う」。である。(すみません汚い言葉で)
食の安全はこれからどうなっていくのか、夜中にふと考えると出てくる答えは「どうしようもない」という事。
中国しかり、偽ビーフコロッケしかりで内部からのタレこみ(又汚い言葉ですいません)がなければ多分ばれなかったと思う。
八代にお住まいの食肉Gメンの方もこれだけ巧妙にやられるとほとんどばれないと太鼓判を押す始末で、素人の方が通ぶって美味いの不味いの言ったって、「私は食べなれているから解ります」何て言ったってころりとだまされるんですよ。なぜかと言うと多分我々でさえだまされるでしょうから。
豚のハート入り偽装コロッケは多分おいしかったと思います。
問題はそれをビーフ100%だと売るのが問題で、美味しければ何をどう表記しても問題無しに話がすり替わり段々エスカレートしてあげく倒産となってしまったのが今回の事件の顛末であるが、まだ彼には刑事処分、民事処分、社会的制裁と茨の道は続く。

冒頭に出てきたイベリコ豚であるが 今世界中でイベリコ豚が人気で
「どんぐりを食べさせて丸々と太らせてあるから美味しいですよ」。
業者は自信満々でセールスに来るが、彼には悪いが普通の豚肉を別に用意して 同じように調理して明らか歴然とした差が彼にも私にも解れば使うかもしれないが今だに「これは美味しいさすがイベリコ」。というものには出会ったためしがない。
昔、都市伝説でマックのハンバーガーには猫の肉が入っているだの、長浜の豚骨ラーメンは一部猫の骨だのまことしやかに公の席で吹聴されてる方がいたが。別に悪い酒でも飲んで悪酔いしているわけでもなく本人何処かから仕入れてきた与太話を真剣に信じている様子なので。
「本当にそんな話し信じてるの」?
「ある筋から聞いた本当の話なんだ」。
「じゃあ聞くけどある筋って何処なの、マックの猫牧場ってどこにあるの」?
「猫牧場?そんなものあるわけ無いじゃないか、野良猫を捕まえてきてばさっと殺っちまって混ぜてるのさ」。
「長浜に野良猫うじゃうじゃいるけど、どうして猫だしラーメンになっていないのかね 長浜の屋台で一軒一晩、仮に100杯ラーメン出たって全体でだしの量は半端な数字じゃないはずなのにそこいら中に猫はいるよね、マックのビーフに20%猫肉を混ぜたって日本中で1日で何10トンて数字になるけど何処にも猫牧場なんかないし、それを処理する工場も何処にも無い、つまり猫は使っていないと言うことじゃないか。簡単な算数ができればそんなの嘘だって解るじゃないか」・・・。
風評被害のことなどまるで考えない知り合いの 無知蒙昧さに腹を立てたが、たまたま私が何でもかんでも疑う性格だから解ったことで 何も知らず無垢で疑う事を知らない消費者の何%かは やはりだまされてしまう。

まさにイベリコ豚はその逆である。ここ2-3年の世界中の需要の伸びを考えたってそんなに供給が間に合う訳が無いし、市場に出回っている何%は偽者と考えた方が良いと思うのでロアジではイベリコ豚は使わない。
この話しも長くなりそうなので次回に続く。
  1. 2007/07/15(日) 17:02:03|
  2. 食材
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道化師 3

 道化師も長々と3回目、初めにお断りしておきますが私は断じてソムリエ諸氏のことを誹謗中傷して笑い者にしているわけではありませんので。

さて最後に2人のソムリエの登場となる。
初めてヴィエンヌのレストランピラミッドに行ったのは85年の夏の
ヴァカンスの時だからもう22年も昔の事になります。
「マダム マドが元気なうちにぜひ一度行きなさい」。
レストラン ピラミッド。当時世界一と言われていたレストラン。
このレストランの事はいずれ項を改めて書きますが、今我々がやっている現代の手法はほとんどここから始まり 我々はレストラン ピラミッドの恩恵を受けている。
18世紀から続く重く複雑怪奇な?古典的料理の簡素化は 2人のマエストロ(巨匠)の手による物である。1人のマエストロの名前はオーギュスト・エスコフィエ。彼の活躍の場は殆どが外国で(フランス以外の国)ホテル王セザール・リッツと組んで立ち上げたリッツホテルはたちまちヨーロッパの王侯貴族を魅了した。彼は「王の料理人」と呼ばれた。エスコフィエはギィド・キュリニエールという1冊の画期的な料理の本を残した。 
今1人のマエストロはフェルナン・ポアン(ピラミッドのご主人)。
彼はリヨン郊外のヴィエンヌという小さな町一生を過ごしたがその小さな町のレストランには世界中からの美食家であふれていた。彼は本の1冊も残さなかったが素晴らしい弟子を数多く残した、現代フランス料理界の重鎮と呼ばれているグラン・シェフは殆どが彼の弟子又は孫弟子である。彼は「料理人の王」とよばれた。 流れを汲む我々は皆遠い弟子である。
さて前置きが長くなったがピラミッドは当時パリのタイユヴァンと並んで予約が取れない事で有名で通常半年前から予約で一杯。
私が予約を入れたときも(3ヶ月前なのに)「誠に残念ですが」との事。困り果てていると、ヴラロレーヌ(ベルギーの三ツ星)のシェフが何とかしてやるといって電話をしてくれた。しかしディナーは無理で何とかデジュネ(昼食)の予約をとってもらえた。
料理の仕事に就いた時からピラミッドで食事をするのが夢だったので当日の朝は舞い上がって嬉しくて仕方なかった。
レストランに行って初めて堅くなった。辻 静雄さんの「ヨーロッパ1等旅行」の「お金は構いませんので美味しい物を」の台詞を言った後
「ワインはどうするね」?そういって現れたのがピラミッドのソムリエ
ルイ・トマジさんだった「料理に合わせたワインを選んでください」。
「ダッコー」。(かしこまりました)といって下がっていった。
「彼が伝説のソムリエなのか、もう年は80は軽く越えているのに現場で働けるなんてとても素晴らしい」。と感心しつつ文句無く美味しい料理はまるで手品のように現れては消え・・・。
「一生に何度も無い経験」友達の言った事は嘘ではなく なぜ世界一と言われるのかおぼろげながら理解した。
ソムリエの話をまったくしないじゃないかと言われそうだが彼のセレクトしてくれたワインはとても素晴らしく、サーヴィスも影のごとくまったくじゃまにならず、こちらからお金はいくら掛かっても構いませんと伝えてあるのに私の財布の中を完全に見透かしてセレクトしてあった。
感動と料理でお腹を一杯にして、お勘定をしてもらった時サーヴィス料とは別に「皆さんに」とテーブルの上に置いた200フラン(当時のレイトで約9000円ぐらい)が何だか汚わいな物の様に思えた。

ハイレヴェルなレストランにソムリエは必要不可欠な存在でなければならないはずなのに、今の所彼らの接客を見ていると不必要としか言いようが無い店が多い。
まず「俺様はソムリエ様だ」って態度は止めた方が止めた方が良いし
やくざの金バッチと同じでそれだけで怯える客がいるのは事実だし
(大抵とんでもない目にあっているのが原因だということは考えるべき)
みなさんはプロだから詳しいのは当たり前で、客が無知だからと言って馬鹿にした態度をとるのは如何なものか?(お前にワインの事を教えてやると言う様な態度)
この店はソムリエがいるから安心じゃなくてソムリエがいるからゲストを不安?にしている店も多々ある。

道化と称して長々と書いたが、最後に今1人ソムリエに登場してもらわなければならない。
ある年の11月ガールフレンドとその年のボージョレーが飲みたいねと知り合いのソムリエのいるレストランに食事に行ったが・・・。
「ワインはヴィラージュのヌーボーを」。
「今年のはあまり薦めませんが」。
「別にそんなにたいそうな事じゃないから構わないよ」。
彼は別の高いワインを薦めたが私は断った。
それだけの事であり、それ以上でもなくそれ以下でもない。
抜栓して現れたのは彼の薦めた高いワインだった。怒り狂いたかったが私の理性は楽しい夜が台無しになるから止めとけとなだめにかかる。
「あっそ?これなんだ」「料理にボージョレーが合いませんので」(それは私が決める事なんだけど)と彼はぬかした。我々留学生は留学生スタイルといって何でもかんでも赤ワインを合わせる悪い癖があるんだぞと教えてあげたかったが馬鹿らしいのでやめた。
でも店のワインリストにはちゃんとその年ボージョレー ヌーボーがありますと盛んに宣伝しているのに・・・・。私にとってその年のボージョレーを飲むのは冬至になったから柚子湯に入るのと同じようなただの季節の通過点にしか過ぎないのに。
彼女との食事は楽しかったが、彼からされた事は不愉快だった。
(多分私に気を使っての事とは思いますが)
客に(私に)売れないようなワインをなぜ置いてあるのかね?

以上のような理由で道化師の話しを書いてみました。
  1. 2007/07/11(水) 21:20:11|
  2. レストランサーヴィス
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道化師 2

 前回からの続き・・・。
近年福岡のソムリエ人口も増えて誠に喜ばしい限りではあるが、
何ちゃって勘違いソムリエ君の人口比率も増えているのが現実です。
確かにソムリエの試験は大変で合格するまでの自己投資の総額は
かなりの金額に上ると思われますが、多分元々酒飲みだし 飲酒は
とっても好きだし 他の危険物取扱者の試験だの自動車整備技師の
試験とはそこらへんがかなり違うかな?
でもフランス、イタリア、スペインをかなり勉強(というか試飲を)
した後で他の地域も知らねばならぬので、彼らは買う、ワインを買う
休みの前日ともなれば未来のソムリエ候補達が集まって     
人数×2本ぐらいの高価なワインを抜栓することになる。
で・・・。ここから問題が発生する彼らのチープな給料ではワインの
確保が精一杯で大事なマリアージュ(料理との組み合わせ)までは
手が回らず結局パンだけとかお店からちょろまかしてきた期限の切れた熟れすぎ熟女みたいなチーズを食べる事になる。
(これはこれで美味しいのですが、何を私は言っているのでしょう)
高級店にいて客の飲み残しが試飲できる環境にあれば良いが、大抵彼らは身銭を切って学んでいるのだから立派だと思う。 
でも我々の仕事は人を楽しませる事のはずなのに、サーヴィスの一翼を担うソムリエ氏達が遊ばないでどうするのかな?と他人事ながら気になります、飲食店のスタッフと思しき方がコンビニ弁当に群がるのは如何なものか(調理、接客も含めて)。
そうやって苦労して試験に合格、晴れてソムリエとして活躍が始まると
おかしくなる人が多いのはなぜ?
なぜかワイン教にはまる人が多いのはなぜ?
昔ワイン教の信者の集まりに仲間だと思われてよく誘われた。
それはそれで楽しい時間で参加者のかたも、人品骨柄卑しからぬ方もいてなかなか知的なお話しをしていただいてありがたかったのですが、
総じて皆さん、
1・タバコ何が何でも許すまじ、(受動喫煙、がんに対するリスク等タバコの害は十分理解していますが、一部のファナティックな嫌煙運動家の活動や愛煙家と称する方のやっぱりファナティックな活動には少し疑問を感じます。私個人は殆どタバコは吸いませんが、食後のグラッパ、マール、コニャックといっしょに味わうシガリロ 「細巻きの葉巻」は大好きです)


2・ワインが人類史上最高の飲み物
ある程度賛同できますが、受け入れられない面もあります。

3・スノッブが多い
何年か前シャンパーニュを室温で飲む馬鹿な奴らがいらしたが。
私の味覚は断じてそれを受け入れない。
炭酸が生温くて美味いわけがない、それでもそれが美味しいとあなたが思うならその味覚は尊重しますけど 私を巻き込まないでください。
「私の師匠はシャンパーニュとウオッカに冷やしすぎは無いと教えてくれましたので」。
私の味覚を全面否定したオヤジさん、あなたが正しければあれから6年も時間が経過しているので(意外としつこい)世界各国「泡は室温で楽しむべし」とお触れがでてもよさそうな物だけど一向にそうならない所を見るとあなたが馬鹿になさってた一般大衆は、あなたほど馬鹿ではなかったと言う事ですか?

kkkの福岡支部じゃないんだからワイン教の信者を増やそうと
うぶなゲストを折伏するのは止めて下さい。
せっかく美しい女性を誘って食事に来たのに・・・。
できれば今夜あなたと懇意になりたいのに・・・・。
たのむから邪魔しないで下さい。二人で2時間半のディナー、料金に
3万円支払ったら1時間のコストは12000円になることぐらい理解しなさい。「シッシッ」と言いたくなる時がある。

この章今日で終わりの予定だったのに終わりそうに無いので次回に続く
  1. 2007/07/08(日) 14:16:22|
  2. レストランサーヴィス
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道化師 1

 日本の大きなレストランやホテルで料理の注文が終わると「さてワインはいかが致しましょうか」?といってワインの担当つまりソムリエ氏がお出ましになる。
襟元には葡萄のバッチをきらめかせて、なぜかしら殆どが尊大で横柄な態度で「お客様の料理にはブルゴーニュの○○がよろしいかと」とこちらの予算も聞かずに畳み掛ける方。
アペリティーボでも飲みながら連れの女性とゆっくり決めたいのに横に立ったままワイン決めるまで離れない方。
シャンパンをやたら勧める方。
詳しいのは当たり前だけどやたらワインを語る方。
?と言いたくなるような奇妙奇天烈なマリアージュ(組み合わせ)を
勧める方。一生懸命なのは解るけどその懸命さが時として道化の振る舞いとなる。

 私の知人のカップル,ソムリエになれるくらいお酒の事に詳しいのであるが。
結婚何周年かを記念して市内某Nホテルで友達を招待してディナーを1席用意したらしい。料理は前もって頼んであったのでいきなりソムリエ氏のお出ましとなり「本日は結婚記念日と伺っておりますが、よろしければ私がストーリを作ってさしあげたいのですが」。
いつもは二人で決めていたのにその日はマダムの方がストーリという言葉にころりとだまされて「ねえあなた、たまにはお任せしてサプライズを楽しみましょう」と言った物だから 普段から「何も悪い事をしてなくても奥さんが恐いのが恐妻家だ」と言っている彼は賛成せざるを得なかった、かくてルイ・ローデレールのクリスタルシャンパーニュで始まるディナーが始まった。(そのときこれはやばい事になったと思ったらしいが)
料理はそこそこ美味しかったのに 件のソムリエ氏こいつらからふんだくってやろうと思ったらしく組み合わせは二の次の高いワインばかりを抜栓されてしまった。それでも少しいい気持ちになってお勘定をたのんだら6名で大枚24万円近くの請求でとってもリッチな二人だけど満足もしていないことにそんな大金払えるかと心の中で思った。
ソムリエ氏帰りのお見送りに入り口まで来て彼に聞いた
「私のストーリはいかがでしたか」と。
彼は答えた「このストーリは喜劇なのかね?悲劇なのかね?」と。
  1. 2007/07/04(水) 16:47:59|
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